Xiaomiは9月22日、最新の中国向けのフラッグシップスマートフォン「Mi 4c」を発表した。だがXiaomiが発表したのはそれだけではない。同社は「Mi Mobile」としてMVNOサービスを正式発表した。スマホ、テレビとこれまでXiaomiが提供した製品はバラエティーに富んではいたが、ハードウェアであることは変わらなかった。今回はサービスとなる。
XiaomiのMVNOは従量課金と月額データプランの2種類
Mi Mobileは「Pay as you go」こと従量課金のプランと、3GBのデータをバンドルした月額プランの2種類がある。もう少し詳しく見ていくと、従量課金の方は音声通話1分、SMS、データ1MBにつき0.1人民元(約1.9円)、受信は無料。ネットワークはChina Unicomの2G/3G/4Gを利用する。
月額プランは3GBまで使えて料金は月に59人民元(約1100円)。これを上回ると同じように音声通話1分、SMS、データ1MB、それぞれにつき0.1人民元が必要。こちらはChina Telecomの2G/3G/4Gネットワークを利用する。
「Mi Mobile」の発表にあたり、Xiaomiは「シンプルで、透明性がある価格構造」とうたっている。販売方法はオンラインで、SIMを購入することになる。従量課金については翌日発売。月額プランについては10月にベータ版という位置付けでローンチするとのことだ。
中国ではまだまだスタートしたばかりのMVNO
定着するのか?
Xiaomiは中国政府の規制緩和により募集した、MVNOとして2014年末にライセンスを獲得していた。このとき、Xiaomiのほか、ライバルのLenovo、Foxconn(ホンハイ)など8社が認められている。なお、MVNOは同社が初というわけではなく、Alibaba、JDなどのネット大手が2013年末時にライセンスを取得し、すでにサービスを提供済みだ。
しかし、ライセンスを獲得したもののサービスを提供していないところも多く、MVNOそのものもまだ定着していないようだ。1年前の段階では、MVNO全体で契約者は20万人(MVNOは25社)、中国市場のサイズを考えるとニッチといえる。
若者を中心にコンシューマーに人気のXiaomiの参入は、中国のMVNOを変える可能性があると予想されており、Xiaomiがいつローンチするのかが注目されていた。
中国でも失速が見えるスマホ市場
ノートPCも2016年前半にリリースする?
Xiaomiは創業5年にして中国トップのスマートフォンベンダーにのし上がった。Canalysの第2四半期の中国スマートフォン市場のデータによると、Xiaomiは同期、Appleを超えて1位に返り咲いている。シェアは15.9%。詰め寄るのは前年同期比48%増と驚異的なペースで追い上げているHuawei Technologiesだ。Huaweiのシェアは僅差の15.7%。そしてAppleが続く。世界レベルでは、シェア5.3%を獲得して第4位。ここでは、Huaweiの後塵を拝している。
だが、スマートフォン市場の見通しはこれまでのようにバラ色一色ではない。安価な端末へのニーズはXiaomiへの追い風となるが、メインである中国のスマホ市場は景気動向もあってか2015年第1四半期に初のマイナス成長を迎えた。Xiaomiは以前から地域の多角化、製品の多角化を進めており、今後これらの戦略がさらに重要になりそうだ。
そこで同社の製品をあらためて見てみよう。Xiaomiが単純なスマホベンダーではないことはご存知だろう。タブレット、フィットネス向けのリストバンドとモバイル端末ベンダーが揃える製品に加え、空気清浄機、TVなども用意している。
そして9月に入り、ノートPCへの進出も噂されている。実際、Mi 4c発表の翌日には台湾のTaipei Timesが、Inventecの会長がXiaomiノートPCのアセンブリを請け負うことを明かし、話題となった。その話が真実であれば、Xiaomiは2016年前半にノートPC市場に参入となりそうだ。
地域ではシンガポールなどに加え、インドとブラジルの大国が当面のフォーカスとなりそうだ。インドではオンラインの販売が一般的ではないことから、小売店と契約をして展開している。以前は年内に10ヵ国拡大という話も聞かれたが、現在ではやや絞り込んで国際展開を進めているように見える。
(次ページでは、「シャオミの目標は「中国製品のイメージを変えたい」」)
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