「イオナ様の超重力砲をサラウンドなしで聴くなど愚の骨頂」
サラウンドマスター鳥居、吼える!
ともあれ、若干引き気味の若手編集部員に、まずは実際に5.1chサラウンドを体験してもらうことにした。薄型テレビには東芝「REGZA 43J10」(実売価格10万円前後)、そしてサラウンドシステムはヤマハの「SRT-1500」(実売価格6万4000円前後)、プレーヤーにはソニーのPS3を使っている。
鳥居 まずは身体でその音を体験してみるンだッ。
編集A おお、フル3DCGで制作されたSF海洋戦記モノですね。潜水艦イ401や大戦艦コンゴウなどの戦闘が迫力たっぷりでした。
編集B 重巡マヤの「カーニバルだよ♪」が可愛くもせつなかったですね。
鳥居 HAHAHA! 鑑賞が終わった後で同じ台詞がもう一度言えるかな?
まずはさっそく、本編を鑑賞してみよう。この作品は、前半はテレビシリーズの再構成と言える内容で、テレビ放映時にも見せ場であったシーンがテンポよく続いていく。まずは従順……いや重巡タカオとイ401の海戦シーンだ。
編集A うおお! タカオの超重力砲をサイドキックでギリギリ交わした瞬間が手に汗握ります。
編集B ミサイルや魚雷を撃ち出すときの発射音もいいし、緊迫感たっぷりの音楽は胸がドキドキしますね。もちろん、イ401の超重力砲も発射までの緊張感が凄い! しかし、こんな低音まで入っていたんですか。今まで気付かなかったな……。
鳥居 ふっふっふ。続いてどんどん見ていこうか。
続いては、大戦艦キリシマ、ハルナとの対決だ。キリシマとハルナの合体による攻撃の迫力、海中に身を潜めて勝機を窺うイ401の巧みな戦術の展開がじつにスリリング。
3DCGによる作画は見事で、旧日本帝国海軍の戦艦を模した霧の艦隊が精細なディテールを維持したまま動きまくる迫力はもちろんのこと、キャラクターもフル3DCGながら表情豊かに描かれているため、千早群像ら人間たちと霧の艦隊のメンタルモデルたちとの対話も違和感を感じることなく楽しめる。
そして何よりも音声が、リアルで迫力のある海戦と濃厚なドラマを盛り上げている。劇場版をサラウンドで楽しむと一層理解できるはずだ。
鳥居 では、いよいよ、暴走したコンゴウとの対決だ。テレビシリーズのクライマックスだな。ついでにヤマハ独自のシネマDSPによる5つの音場プログラムのうち「映画」で、さらに臨場感あふれる音を味わうがいい。
編集A 乱れ飛ぶ魚雷の発射~飛翔音が、僕の記憶とまったく違いますね。確かにこの音を聴いちゃうと2.0chには戻れないかも。
編集B 音場の広がりや音楽の厚みのある響きがさらに豊かになりました。マヤが! というよりコンゴウの「私たちのカーニバルだ!」が悲しい(泣)。
編集A 俺の知ってるアルペジオと全然違う! 音場の広がりが増して臨場感も倍増です。艦内にいる主人公たちと、吹きさらしの艦上に立っているメンタルモデルたちでは、声の反響が微妙に異なっているような。
鳥居 これが5.1chサラウンドの威力なのだ(ドヤ顔)。
編集AB 最新の薄型テレビって凄い音なんですね~。
得意満面の鳥居だったが、編集A、Bともに肝心なことに気づいていなかった。
(次ページでは、「日本の住環境にピッタリな「ステージ型」サラウンドシステム」)