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発見!Steamおすすめのゲーム 第2回

極寒の世界で生きる!“飢え”と“寒さ”と“オオカミ”が敵『The Long Dark』:Steam

2015年09月23日 20時00分更新

文● 篠原修司 編集●ジサトラアキラ

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 PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第2回目は極寒の大地でひとりきりで生き残るサバイバルアクション『The Long Dark』を紹介する。

 昨年9月に“早期アクセス”としてリリースされた本作だが、今年に入ってからも細かくアップデートされ続けており、早期アクセスながらも自信を持ってオススメできる1本だ。

『The Long Dark』

●Hinterland Studio Inc. ●1980円

極寒の世界に墜落

 謎の地磁気災害によってカナダ北部の原野に墜落してしまったパイロット、ウィル・マッケンジー。彼は心ならずもこの辺境の地でひとり、決死のサバイバルを試みることとなった……。

 というのがこのゲームのストーリーだ。しかし、画像にあるとおりこのストーリーモードは“アルファ版では利用不可”。じゃあ何ができるのかというと、ストーリーなしのサンドボックスモードが遊べるぞ。

 サンドボックスモードでは、このゲームを理解するのに最適な“ミステリー湖”、より多くの人工物がある“沿岸ハイウェイ”、そしてより純粋に自然で生き残ることを目指せる“プリーザント・バレー”の3つのマップが用意されている。

鉄板はミステリー湖&旅行者の選択だ。

 基本的にどこでも死ねるが、最初に遊ぶならやはりミステリー湖が良い。ほかのマップにはミステリー湖から頑張って歩いて行けるので、まずは基本のマップから始めてみよう。

 また、難易度には野生動物が襲ってこない“放浪者”、狩る者であり狩られる者でもある“旅行者”、そしてオオカミやクマなどが増えたハードな“追跡者”とこちらも3つ用意されている。

 プレイヤーは男性・女性と選べるが、選んだキャラクターによっての有利不利はとくにない。ここで選んだキャラクターの声がプレイ中のぼやきやため息、うめき声として聞けるだけなので、好きな方を選んでプレイしよう。

日本語化を忘れずに

 あとはゲームを始めるだけだが、その前にゲームそのものを日本語化しよう。The Long DarkはSteamワークショップに対応しており、そこから有志作成の日本語化MODを適用できるようになっている。

 Steam ワークショップ :: 完全日本語版 Alpha v.258

サブスクライブするだけでMODを導入できる

 ここで完全日本語版をサブスクライブしたあと、オプションから“Japanese translation for v.258”を選べばサバイバルの準備は万端だ。

事故から目覚めると雪国であった

 ゲームを始めると、プレイヤーはマップ上のランダムな場所からスタートする。今回は狩猟小屋スタートだった。これはかなり運が良い方だ。大抵は何もない野っ原からのスタートで、小屋を見つけることなく野垂れ死ぬからだ。

 こういった小屋のなかにはマッチや缶詰など、以前住んでいたであろう人間の忘れ物が置いてあり、プレイヤーはこれらに助けられながらサバイバルを行なう。

 とは言え、残されているものはかなり少ない。アイテムを全て手に入れたら、いよいよ外に出てみよう。

外にでれば一面銀世界。これが旅行なら楽しかったんだろうけど

道具の確保が最優先だが……

 狩猟小屋の目の前にあった崩れ落ちた小屋に行くと、そこには鹿の死骸が横たわっていた。この世界で生き抜くには、ほかの生き物から奪うことも重要だ。早速肉を……と思ったが、死骸が凍っていて素手では手が出ない。

 そう、ここでは寒さも敵なのだ。寒さに勝てる道具を確保するのも忘れてはいけない。

いのちをだいじに

 しかし、探せばすぐに見つかるようなものでもない。気付けばあたりは薄暗くなっていき、どこまでも続く白い世界に自分がどこにいるのかすら分からなくなってくる。

完全に迷った。そもそも地図なんてないし。

 外に出ているときは、Tabキーでのステータス確認が重要だ。ここから、日が沈むまでの時間が分かるからだ。また、疲れ・冷え・飢え・乾きのバッドステータスの状態も確認できる。

 これらが最大になるまで、そして夜になるまでにどこか休める小屋を見つけられなければ、明日の朝日を拝むことはできないだろう。すでに見つけている小屋に戻るのも良いが、物資がなければジリ貧となり結末は変わらない。

見捨てられた世界

 しばらく道なき山を歩いていると、今度はキャンプ場管理所を発見した。内部は光が射してはいるものの薄暗い。しかし、管理所ならそれなりに物資がありそうだ。

 貴重な燃料を消費しつつも、ランタンをかざして内部を探索すると

 ……人がいた!? おーい、助けてくれ!

 しかし、近づいてよく見るとそれは凍死体だった。死体が放置されているキャンプ場管理所……一体ここで何があったのだろうか?

 何はともあれ、こうした凍死体を調べることも重要だ。“彼ら”からは服を手に入れられる。より寒さに耐性のある服装になれば、ある程度の外気にも耐えられるようになる。

 どんどん暖かい服装に着換えていくのも、生き残るためには欠かせない。

見捨てられた世界

 それにしても管理所を見つけるまで外に長時間いたため、すっかり体が冷えてしまった。この冷えを回復させるには、ストーブに火をつけよう。手に入れたマッチや新聞紙、廃材を組み合わせることで火を起こすことに挑戦できる。そう、“挑戦できる”のだ。

 なんせ主人公はただのパイロット。アウトドア経験は豊富ではございません。無事に火がつくかどうかはウデマエ次第である。

火をつけているあいだも時間は進んでいく。今回は無事に火がついた。

 火がついたらその周りで体を暖めるだけではなく、雪を解かして飲み水を用意しよう。もちろん解かしただけでは飲めず、そのあと煮沸消毒をしなければいけない。解かす→煮沸消毒の2段階の過程を踏まないといけないため、そのための燃料集めも重要になってくる。

オオカミに気をつけろ!

 再び外に出ると、少し先でオオカミが徘徊していた。彼らは(ゲーム内では)こちらを見つけた瞬間に飛びかかってくる。

 運が良ければ怪我はするものの、なんとかオオカミを撃退できる。ナイフや手斧を持っていれば、より大怪我をせずに撃退できる。

拡大したオオカミ。遠距離でもこちらに気付いて走ってくる。

 怪我をしたときは、治療が大切だ。放っておくと、そのまま体力が低下したり病気になったりして死んでしまう。

 あまり良い武器を持っておらず、オオカミと戦いたくない場合は発煙筒を焚くと良い。

発煙筒に怯え、逃げていくオオカミ

 また、ライフル銃を手に入れればオオカミを無傷で倒すことだってできる。

肉や毛皮の剥ぎ取り時にはご用心

 そしてオオカミを倒せば、目の前には食料が現れる。

オオカミでもヘッドショットを決めれば1発で倒せる

 The Long Darkの世界には、ウサギ、鹿、オオカミ、クマが出現する。これらの死体からは、肉や腸、毛皮といった食料やアイテムを剥ぎ取れるのだ。

 初めての獲物から喜んで肉を取っていると……

 いきなり死んだ。じつは剥ぎ取り時にも時間が進んでおり、このときは剥ぎ取りに時間をかけすぎたために“冷え”が進み、低体温症で死んだようだった。

 生存期間、たったの1日と21時間。

最大の敵は天候

 そう、このThe Long Dark最大の敵は天候である。山の天気は変わりやすく、出かけるときは晴れていてもすぐに霧が出て周りが見えなくなったりする。

 そうして迷いやすい環境が整ったところに、吹雪が追い打ちをかけてくる。吹雪で視界が狭まるうえに、その冷気が急速に体温を奪っていくのだ。

 冷えが進み、気付けば低体温症で死ぬ寸前だ。

健康状態が0%になると死ぬ

 こうなると、ストーブで体を長時間暖めなければ体力を回復できない。しかし、長時間さまよっているなかで、ストーブのある小屋までたどり着けるのか? そもそも燃料は持っているのか? といった問題がある。

 まぁ迷った時点でほぼ死んでいるようなものなので、あがけるだけあがくのが良いだろう。大丈夫、これゲームだから。

美しい雪の世界へ旅立とう

 The Long Darkはそんな恐ろしい世界だが、それでも見える世界は美しい。ゲーム的には晴れているにこしたことはないが、しんしんと雪が降る様子や雪山の夕焼け空など、物資に余裕があればそういった景色に目を向けてみるのもオススメだ。

沿岸ハイウェイに行けば雰囲気もガラリと変わる

 まだまだアルファ版のため仕様が大きく変更される可能性はあるものの、とりあえず“雪山でサバイバルする”だけであれば十分に楽しめる内容になっている。

 夏が終わりこれからどんどん寒くなっていくが、ゲームのなかで冬の世界を先取りしてみよう。

Steam用にオススメのゲーミングPCはこちら

ユニットコム『LEVEL∞ (レベル インフィニティ) C-Class | コンパクト・ミニマムモンスター・ゲーミングPC』

『The Long Dark』
●Hinterland Studio Inc.
●1980円(2014年9月22日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac
ジャンル アドベンチャー、独立系開発会社、シミュレーション、ストラテジー、早期アクセス

■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga

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