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バランス接続や11.2MHz DSD再生を手が届く価格帯で

パイオニア、D級2chアンプに3年ぶり新機種「A-70A」など

2015年09月03日 13時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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A-70A:フルバランス化で、伝送ロスの少ない再生を

 中核機種となる「A-70A」は、A-70と同等性能を持つ、IR製のICを引き続き採用しつつ、周辺パーツを最適化して高音質化したという。A-70との違いとしては、Hi-Fiコンポの中でも高級機にしか採用されていないバランス入力を搭載(ノイトリック製のXLR3ピン端子を使用)。これに合わせプリアンプ部分も左右独立構成のフルバランス回路となっている。

強度の高いリジッドアンダーベースをしっかりとしたインシュレーターで支え、左右は二重構造のシャーシを取り付けている。プリアンプとパワーアンプ部を分割するとともに、シンプルな信号経路にこだわっている。

パワーアンプ部分。パワー素子にはDirect Power FETを採用。左右対称のレイアウトとして、パワーアンプ回路に大型のスピーカー端子を直結している。

プリアンプ部分もフルバランス化し、ノイズの影響を最小限に留め、安定した伝送を追究している。

 一方でデジタル入力端子、USB DAC機能は省略している。理由は、PC接続を想定したUSB DACの多くがバランス出力を装備しているため。パイオニアでもネットワークプレーヤーの「N-70A」、USB DACの「U-05」、BDプレーヤーの「BDP-LX88」などがバランス出力に対応しており、Hi-Fi機器間のバランス接続に注力している。

 最新フォーマットへの対応という意味ではこうしたソース機側のほうが先行するため、バランス対応などを通じて、アンプ側のアナログ入力のクオリティーを上げたほうが有益と考えたためだという。

 アンプの内部を3つのエリアに区切り、左に電源部、中央にパワーアンプ部、右にプリアンプ部を置くといった考え方はA-70を踏襲する。電源もパワー部とプリ部で独立させており、相互の干渉を極限まで排除。セパレートアンプを1つの筐体に収めるのに近い効果が得られるようにしている。

筐体内部は3つのブロックに分割。パワーアンプ部分には大型のトランスを使用し、電源ブロックだけを独立させている。

電源トランスはプリアンプ用とパワーアンプ用で別個に用意。D級アンプは小型であるため、空いたスペースを効果的に利用している。

A-70A、A-70DAが共通して搭載するD級アンプブロックの回路

スピーカーターミナルはより大型でしっかりしたものに。

ボリューム部分もよりずっしりとした印象のものとなった。

インシュレーター。

コンデンサーなど使用パーツにもこだわっている。

 スピーカー端子もより大型の真鍮製として、大型のコネクターを持つ高級ケーブルなどの接続をしやすくした。

 本体サイズは幅436×奥行き370×高さ141.5mmで、重量は18.2kg。

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