au MVNOの格安SIM/格安スマホとして人気の「mineo(マイネオ)」。そのmineoが、ドコモ網を利用した新プラン「ドコモプラン(Dプラン)」を9月にスタートする。
本記事ではQ&A形式で、新しいドコモプランの料金や特徴について解説していく。
Q1 ドコモプランって何?
A1 mineoはこれまでau回線を利用したサービスだったが、新たにドコモ回線によるサービスも追加された
格安SIM/格安スマホなどと呼ばれるサービスが多数登場しているが、それらは基本的にドコモやauといった主要キャリアの回線を帯域単位で購入し、ユーザーに小売りすることで実現している(こういった事業者をMVNOと呼ぶ)。
ケイ・オプティコムのmineoは、従来au「4G LTE」ネットワークを用いてサービスを実現していたが、新たにドコモのFOMA/Xiネットワークを利用したサービスも、9月から開始されることになった。これがドコモプラン(Dプラン)だ(現行サービスは「auプラン(Aプラン)」と区別される)。
格安SIM/格安スマホの大半はドコモ網を利用しているが、一方でau網ならではのメリットもあり、mineoは2つのプランから選んで利用できるという部分で強味があると言える。
Q2 ドコモプランの料金やサービスの特徴は? auプランとの違いは?
A2 月3GBで税抜月900円と、ドコモMVNOでは標準的な料金。データ通信専用SIMはドコモ/auで同額に
まず料金やサービス内容については以下のとおり。
(表内すべて税抜) | mineo ドコモプラン | mineo auプラン | ||
---|---|---|---|---|
シングルタイプ (データ専用) |
デュアルタイプ (音声付き) |
シングルタイプ (データ専用) |
デュアルタイプ (音声付き) |
|
通信網 | ドコモ Xi/FOMA | au 4G LTE | ||
高速通信通信量 | 月3GB など | 月3GB など | ||
制限時の通信速度 | 200kbps | 200kbps | ||
月額料金 | 900円など | 1600円など | 900円など | 1510円など |
通話料 | ― | 20円/30秒 | ― | 20円/30秒 |
初期費用 | 3000円 | 3000円 | ||
SIMサイズ | 標準、microSIM、nanoSIM | microSIM、nanoSIM | ||
制限解除オプション | 150円/100MB | 150円/100MB | ||
通信制御 | ― | 3日/3GB | ||
SMSオプション | ○(月120円) | ― | ◎(標準) | ― |
最低利用期間 | なし | なし | ||
契約解除料 | なし | なし | ||
MNP転出手数料 | ― | 1年以内は1万1500円、以降は2000円 | ― | 1年以内は1万1500円、以降は2000円 |
月3GBの高速通信が利用できて、月900円(以下すべて税抜)という料金は、ドコモMVNOの格安SIMとしては標準的な価格帯だ。また500MB/1GBのコースを選ぶことでさらに安価な料金にできる。高速通信分を使い切った後は200kbpsに制限されるが、100MBあたり150円で追加チャージも可能だ。また、auプランもドコモプランと合わせて、9月から料金が値下げされている。
一方で違う部分もある。まずはSMSオプション。auプランでは標準機能で追加料金なしで利用できるが、ドコモプランでは月120円のオプション。また、音声通話付きSIMは、auプランはデータ通信SIMからプラス月610円の料金なのに対し、ドコモプランはプラス月700円となっている。
なお、auプランはデータ通信が4G LTEのみだが(3Gに対応しない)、ドコモプランは3G(FOMA)/4G(Xi)の両方のネットワークが利用できる。
Q3 ドコモプラン、auプランはそれぞれどんなスマホで利用できる?
A3 ドコモプランはドコモ端末や多くのSIMフリー機、auプランはau端末でiPhone以外
これまでmineoが用いてきたau「4G LTE」は、日本独自の周波数がメインで採用されているため、利用できるのは実質的にauのLTE対応端末、およびmineoがセット販売する端末に限られていた(一般的なSIMフリースマホでは、たとえ通信できても実用的とは言いがたい)。また、iPhone/iPadはiOS 8では基本的に利用不可能である(若干状況に変化が現われているが、詳しくはこちらの記事で)。
これに対し、ドコモFOMA/Xi網を利用するドコモプランでは、ドコモ端末および、最近急激に数を増やしているSIMフリースマホでも利用できる。ここにはiPhone/iPadといったiOS端末も含まれる。
つまり対応端末の数ではドコモプランが上と言えるが、一方でドコモのAndroidスマホではテザリングが利用できないなどの弱点もある(これはmineoのみならず、MVNOのSIMで共通。auプラン+au端末ではテザリングも可能)。
なお、現時点ではドコモプランで端末はセット販売されておらず、自力での入手が必要。すでに持っているドコモ端末を流用するか、オークションなどで中古品を購入するか、もしくはSIMフリースマホを単体購入することになる。
Q4 auプランからドコモプランへの移行は可能? その際の手数料は?
A4 データ通信SIMでも音声通話付きSIMでも2000円で移行可能! 既存ユーザーは1回は無料
もちろん可能。ただし、現状のシステムではSIM交換が必要なので、SIMの再発行手数料として2000円がかかる。
また、音声通話付きSIMでのプラン移行でも、MNPにより、電話番号はそのまま。上記2000円にはMNPの手数料も含まれている(契約期間の制限などもない)。
現行mineoユーザーについては、9月1日~10月31日までの期間はプラン変更など、SIMカード再発行が発生する手続きが、1回に限り無料になる。ドコモプランに移行したい、試してみたいと考えているならチャンスだろう。
(次ページでは、「他のドコモMVNOの格安SIMに対するmineoのメリットは?」)