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バイアンプ駆動で、DSDにも対応、手軽さと“もうこれで十分”と思わせる高音質が同居

Hi-Fiの思想で作られた、一体型ハイレゾ機「M-CR611」

2015年07月14日 14時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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ヨーロッパで支持された名機をよりプレミアムに

 「コンセプトはひとことで言うとプレミアム」(マーケティング担当の高山健一氏)と言うように、従来製品の特徴は継承しつつ、外観・機能・音質などをブラッシュアップした製品。

LEDは設定で各色に変更できる。

 外観に関しては、“ハイコンポ市場でプレミアムな存在になる”という同社の自負をこめた。ゴールドの本体に加え、LEDによるイルミネーションも追加。標準では、二桁型番を冠した同社中上級向けコンポーネントと同様に、青色に光るが、設定で緑・オレンジ・ホワイト・点灯なしに変更できる。また、従来機種の天板が傷つきやすいというフィードバックに応え、6~7Hクラスの硬度を持つ“ハードコート・アクリルトップパネル”を採用している。開発者の説明では「たわしでこすっても大丈夫なほど硬い」とのこと。

強化された天板。NFCのマークも見える。

 再生可能なメディアは、CD、FM/AMラジオ、ネットラジオ、Bluetooth、AirPlay、USBストレージ、Wi-FiやEthernetを経由したDLNA再生など多彩。

 ハイレゾファイルの再生は、最大192kHz/24bitのWAV/FLAC/Apple LosslessなどPCM系のみの対応だったが、PCM変換となるが、今回からDSD 2.8MHzの再生にも対応している。

背面端子。プリアウト出力なども持ち多彩だ。

 機能面ではBluetoothのペアリング用にNFCを追加したほか、“ワイドFM”にも対応する(TBSラジオ・文化放送・ニッポン放送によるFM補完放送、90MHz以上のFM周波数を使う)。

付属のリモコン

 無線LANはIEEE 802.11b/g/nに対応。専用アプリ「Marantz Hi-Fi Remote」を使った、スマートフォン・タブレットからの操作も可能だ。ネットワーク設定を容易にするため、iOSデバイスのWi-Fi/有線LAN設定をそのまま読み込める、WAC/Wi-Fi-シェアリングにも対応する。

Marantz Hi-Fi RemoteはDLNA機器だけでなく本体そのものの操作が可能。写真のようにUSBメモリー内の楽曲も選択できる。

たてに選曲するフォルダーや再生する楽曲、アルバムジャケットなどが並び、操作しやすい。

 Marantz Hi-Fi RemoteはNASだけでなく、USB端子に接続したストレージ内の楽曲の選択が可能。分割画面(フォルダー選択、キュー、アルバムジャケット)によって選曲・再生操作・プレイリスト作成などでいちいち画面を切り替える必要なく、1画面の中でシームレスに操作できるようにしている。

AirPlayにも対応するので、定額ストリーミングサービスやradikoなどのアプリを使っている人も無線経由で簡単に再生できる。

どのスピーカーの音量を調整するかはMarantz Hi-Fi Remote上で簡単に選択可能。

 音質面では4ch独立のフルデジタルアンプを引き続き内蔵。スピーカーのバイアンプ駆動もしくは、2組のスピーカーを切り替えての再生ができる。TI製の最新チップに変更。DSD信号をPCMに信号に変換するためのDSPを追加したほか、ローパスフィルターも高品位なものに変更している。従来機種より価格は5000円ほど上がったが、特性は大幅に改善しており、THD+Noiseの値は最も改善度の高い1W前後の出力でマイナス19dBと劇的にノイズレベルが下がっている。「ネットワークオーディオプレーヤーの開発でノイズと戦ってきた歴史を強みとして発揮できている」とした。

先代機はヨーロッパで各賞を受賞。売り上げも好調だった。

デジタルアンプをブラッシュアップし、ノイズを大幅に低減している。

 また、電源部の強化に伴い、4Ωのスピーカー駆動にも対応。さらにバイアンプ駆動ではなく、A/Bの2系統に別々のスピーカーを接続した際にそれぞれのスピーカーの音量を独立して調整できる“独立ボリュームコントロール”機能も追加された。

 なお、有機ELディスプレーは、リモコンなどで選曲操作する際に便利な3ライン日本語表示対応。可変/固定のアナログ出力やフロントとリアの両方にUSB端子を備えている点などは従来機ゆずりの特徴となる。

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