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バイアンプ駆動で、DSDにも対応、手軽さと“もうこれで十分”と思わせる高音質が同居

Hi-Fiの思想で作られた、一体型ハイレゾ機「M-CR611」

2015年07月14日 14時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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ピタリと決まる低位、アクセサリー変更にも敏感に反応

 再生音を聴いてみると、情報量が多くきめ細かいサウンドに加え、マランツらしいピタリと決まった定位が印象的だった。例えばコーラスの再生では合唱団の人々が発する子音が左右のさまざまな位置から発せられて、どのパート(そして顔は見えないがどの人)がどの位置で何を歌っているかが手に取るように分かるほどだ。デジタルアンプには新規に採用したTI製の最新ICが用いられているが、ノイズフロアーが下がったことがよりピンポイントな定位感の実現に貢献しているという。

ハイコンポだがそういうことは考えず、開発時には最高の機材と組み合わせて試聴してきたという。

 Hi-Fi機器として開発されているため、使用するケーブルやスピーカーのセッティング、あるいは有機ELディスプレーのオン/オフといった細かな違いに対しても敏感に反応する点も特徴だという。調整によって音質を改善していく楽しみがユーザーに許される製品なのだ。

 バイアンプについても「ミニシステムの開発方法としてはマジョリティーではないが、あえてマランツがやるのだからこのぐらい飛びぬけたほうが面白い」とした。シングルアンプ駆動からバイアンプ駆動にすると、「音の密度間、実在感みたいなものは上がりますよね」と澤田氏が表現するように、少しずつの変化が積み重なり、確実な変化につながっていく実感がある。

 また、ネットワーク再生やUSB再生時のノイズ対策という面では、映像やデジタル回路などノイズ源が多い中でも高音質を実現しないとならないAVアンプの経験が生かされているそうだ。

内部。天板はハニカム構造だと分かる。

 一方で筐体のカバーを外し内部に目を向けると、電磁波対策用のテープなどはほとんど見られない。こうした機器では出荷前に、必ずEMI(電磁妨害)対策の検査を通す必要があるが、設計がまずいとノイズが発生する箇所が増えてしまう。そこで後からアルミメッシュなどのシールド材を追加する場合が多いそうだ。しかし基本設計がしっかりしていれば、その数を最小限に抑えることができる。

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