微妙に複雑で、わかりにくい操作体系がネック
まず、操作を見てみよう。操作については「iOS 8.3」までの「ミュージック」アプリに近いが、細かい操作や設定が増えているため、わかりにくくなった印象を受ける人が多いだろう。
iOS版の画面下部を見ると「For You」「New」「Radio」「Connect」「My Music」の項目がある。「For You」は好きなジャンルやアーティストを選ぶことで、オススメを表示してくれるというもの。またリスニング傾向からもレコメンドを行なっている。
「New」は文字通り新着中心、「Radio」はラジオステーション「Beats 1」や新着“ステーション”、もしくは任意に開始したステーションを呼び出せる。「Connect」はアーティストとフォロワーをつなぐSNS的なもので、今のところメジャーなアーティストがチラホラいるらしいのだが、登録数が少ないため、これからのものだろう。
そして「My Muisc」が、これまでの「ミュージック」アプリに近いものだ。「ライブラリ」タブでは、iTunesで購入した曲なのか、Apple Musicからの曲なのかわからない状態となっており、デキが悪いといっても差し支えないだろう。
My Muiscで混乱しがちなのは「・・・」のメニュー表示に加えて、カテゴリーやアーティストといった項目の横に「∨」表示があり、ここからもメニューが表示される点だろう。
「・・・」で開くメニューで特にわかりにくいのは、「マイミュージックに追加」「オフラインで再生可能にする」だ。
「マイミュージックに追加」は、ダウンロードして視聴するまでもないが気になる曲向けで、ストリーミング前提だ。逆に「オフラインで再生可能にする」は、ローカルにダウンロードしてオフラインでも再生可能にするというもの。
また、My Musicにある「アーティスト∨」のメニューには「オフライン再生可能な項目を表示」があり、ローカルにないものを非表示にできる。移動中に聴くことが多いのであれば「オフライン再生可能な項目を表示」を意識しておくほうがよさそうだ。
なぜかというと、いくつかの楽曲でデータ転送量を見ていたところ、どうやらビットレート256kbpsで固定されているようだからだ。LINE MUSICのように、通信環境に応じて64kbps〜320kbpsの可変ではないため、通勤中や散歩中に聴くとなると、短期間にデータ通信量の上限に到達してしまう可能性が高い。
ちなみに、「オフラインで再生可能にする」にした楽曲にはiPhoneアイコンが表示されるのだが、これがまたイマイチあやしい。まとめてオフライン再生に変更してもアイコンが点灯しないことがあるほか、挙動自体に戸惑ってしまう感もある。「オフラインで再生可能にする」を実行したにも関わらず、表示上のステータスが変更されないこともあった。バージョンアップで何らかの対応がなされると思うのだが、My Musicの「ライブラリ」でも同様の表示をしてほしい。
ともあれ、項目が増えてしまったが、iTunes同様の感覚で音源を探し、レコメンドで新しい音楽に出会い、これまで通りに再生するといった印象だ。
面白い部分としてはプレイリストの共有だろうか。かつてあったっような、CD-Rにお気に入りの楽曲を焼いてドライブだとか、カセットテープで以下略だとか、そんなノリに近い。そういった雰囲気を重視していることもあるだろうが、ジャンルがわりとアバウトであったり、検索性はそれほど高性能ではなかったりする部分には納得がいく。