ハードウェア構成の同一化が進む中
2015夏モデルはデザインで攻める!
日本ヒューレット・パッカードは5月27日に2015年夏モデルを発表した。構成パーツ供給元の統合とリファレンス実装の普及により、PCメーカー独自のハードウェア構成が減ってきた中、2015年夏モデルでHPが挑んだのはデザインによる差別化だ。
デスクトップPCでは、これまでの黒くて無骨なイメージを一新。光学式ドライブを中央に縦置きし、左右対称のデザインを採用した製品を発表した話題となっている【脱・無骨な黒PC! 夏のHPデスクトップはインテリアになじむデザイン】。
ノートPCについては、GPUが最新世代の「GeForce GTX 960M」に強化された15.6型ゲーミングノート「OMEN 15-5100」に加え、鮮やかなピーチピンクなどカラーバリエーションが充実した15.6型ノートPC「Pavilion 15-ab000」シリーズが発表され、部屋のインテリアや趣味に合った色のノートを選ぶことが可能になっている。
世界中で販売されるPCのうち、
日本市場向けに厳選されるのは半数程度
多数の製品が登場した日本HPの2015年夏モデル。だが、本社のある米国を中心に、HPグループは世界130の国と地域で販売活動を行なっており、ワールドワイドではさらに幅広い製品ラインナップを用意している。日本市場向けに厳選されるのは、およそ半数だという。
それでは、数ある製品の中から、どのようなPCを日本HPはチョイスしているのだろうか。日本市場で販売するPC製品の特徴を、同社プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステムズ事業本部 事業本部長の砥石修氏、同 コンシューマ製品部 部長の室裕朗氏、同 コマーシャルビジネス本部 モバイルビジネス部 部長の村上信武氏、同 プリンティングビジネス本部 インクジェットプリンティング部 部長(取材当時)の宇野大輔氏に聞いた。
日本に投入する製品は、まずは15.型ノートPCなどの売れ筋製品だが、小型PCや他社にない製品なども選択の基準だという。また日本市場では安いだけの製品はあまり人気がなく、安価であってもデザインに凝った製品、尖った特徴を持つ製品を選んでいるとのことだ。
クラウド連携でヒットした低価格ノート
安価であっても尖った特徴を持つ製品の代表に、「ネオンパープル」やピンク系の「オーキッドマゼンタ」、「ホライズンブルー」といった筐体の色も特徴的なノートPC「Stream」シリーズがある。
Streamシリーズは、2万円台からの低価格を実現するため、Stream 11とStream 13はCPUにCeleron N2840(2.16GHz)を採用。Stream 14もAMD A4 Micro-6400T APU(1.0GHz)を搭載する。さらに、3モデル共にストレージは32GB eMMCフラッシュメモリーだ。
ストレージが32GBだけでは、使い続ける内に容量が足りなくなりそうだ。だがStreamシリーズは、マイクロソフトのオンラインストレージサービス「OneDrive」の使用権が付く(期間限定)。さらに、Stream 11と13には、日本を含む世界120万ヶ所で使える公衆無線LANのローミングサービス「iPass」を使用権も用意することで、クラウド連携という使い方を用意する(同)。まさに、「低価格なのに、クラウドで使うという新しいバリューを提案できる」(室氏)製品で、日本市場で高い評価を受けている。
(次ページ、「日本からの要望で実現した1.0kgのモバイルノート」に続く)