5月25日、Googleイノベーションラボは企業におけるダイバシティ(多様性)を考えるワークショップを開催した。プレゼンを交えたワークショップで、企業の人事・ダイバシティ担当者がGoogle流のダイバシティを学んだ。
子供のようにふるまえる許容性を
Googleは組織におけるイノベーションを推進すべく、多様な働き方を実現するダイバシティを重視している。世界中の情報を整理し、すべての人間がアクセスできるようにするという社是を掲げるGoogleにとって、多様性を理解すること、オープンであることは組織内からイノベーションをきわめて重要だという。
Googleはダイバシティの取り組みを社外でも推進すべく、「Womenwill」というプロジェクトを昨年より開始。日本では働く女性をサポートするアイデアをサイトで募集し、企業がそのアイデアを実践するという取り組みを進めている。
今回のワークショップは、Googleの人材開発担当者の参加のもと、企業の人事関係やダイバシティ担当者がそれぞれのアイデアを持ち寄るというイベント。Google Innovation & Creative Programs統括部長のフレデリック G プフェールト氏は「テクノロジーを駆使することで、われわれは公正な機会を得ることができるようになった」と挨拶し、ワークショップをスタートした。
最初のワークショップでは、紙とペンで隣の人の似顔絵を描くというもの。参加者は1分という時間内で、隣の人の似顔絵を描き、相手に渡すことになる。しかし、隣には初対面の人が座り、しかも画才のある人ばかりではない。当然ながら、会場ではとまどいが拡がる。
そんな会場の様子を見たプフェートル氏は、大人同士で同じことをやるとどこも同じような反応があると指摘する。「子供のようにふるまうのは難しい。大人にとっては当然の未完成のものを渡すのは恥ずかしいという、大人ならではの感情が働いてしまう」(プフェートル氏)。しかし、子供に同じことをさせると、至って真面目に取り組み、大人のようなとまどいは起こらないという。プフェートル氏は、「ときに子供のようにふるまえることを許してもどうでしょうか?」と提案する。
Googleのダイバシティへの取り組みに対する説明を受けた2つ目のお題は、「組織内にイノベーティブでダイバシティのある文化をいかに醸成するか」と「産後のお母さんの復帰をいかにサポートするか」というテーマを考えるというもの。「GoogleではCrazyよりも、もう少し上のレベルのアイデアを求めている」(プフェートル氏)とのことで、参加者を2つのグループに分けて、さっそくワークショップが開始。多少うち解けた参加者は3分間でアイデアで出し合い、さらに隣の人と意見を重ねていくことで、アイデアはさらに加速する。3分間のアイデア出しを終えた後、隣の人への謝意を表わし、後半の予行演習ともなるワークショップは終了した。
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