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ここが変わったWindows 10 第41回

中国に広まる膨大な海賊版ユーザーを取り込む戦略はいかに!?

やっぱり海賊版の「Windows 10」無料アップグレードはなし!

2015年05月20日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●ASCII.jp

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 3月17日、Windows公式ブログ上で開発中の次期OS「Windows 10」の販売開始時期を2015年夏とし、世界190ヵ国・111言語でリリースすると発表した。Windows 8.1の後継OSとして、いろいろな機能のブラッシュアップが行われている。

 この連載ではプレビュー版の「Windows 10 Technical Preview」を利用し、Windows 10の新機能の紹介、解説する。

2015年3月に中国・深センで開催された「Windows Hardware Engineering Community (WinHEC)」に登壇した奇虎360 CEO 周鸿祎氏とマイクロソフト オペレーティングシステム担当エグゼクティブ バイスプレジデントのテリー・マイヤーソン氏

 マイクロソフトは5月15日のブログで、Windowsに関するエントリーを投稿した。Windows 7と8.1ユーザーが無料でWindows 10にアップグレードできるという件に関してだ。マイクロソフトは3月に行われた中国でのイベントで、海賊版(非正規版)もアップグレードの対象になると発表し、衝撃を与えた。直後に、海賊版をWindows 10にアップグレードしたとしても、正規版になるわけではないと発表した。どちらにせよ、中国を中心に広まっている膨大な海賊版ユーザーを正式なWindows 10に引き込み、Windowsストアのエコシステムに組み込もうとする狙いと考えられていた。

 しかし、15日のブログでその方針を撤回。Windows 7と8.1の正規版のみを無料アップグレードの対象とし、海賊版の場合はデスクトップに透かしを入れてその旨を通知するとのこと。透かしが出た場合は直ちに購入店に返品し、正規のWindowsを要求するように、と述べている。とは言え、海賊版ユーザーでもWindows 10へのアップグレードは用意される。その際には、「とても魅力的な」プランが用意されるようだが、詳細はまだ公開されていない。

 海賊版ユーザーを取り込もうと戦略は継続するようだが、正規版を購入してきたユーザーが馬鹿を見るようなサービスは撤回するということだろう。ちなみに、マイクロソフトは撤回と言うスタンスではなく、誤解が広がっているのできちんと回答する、というスタンスのようだ。どちらにせよ日本のユーザーが直接損をしたり得をしたりすることではないが、納得のいく決定だと思う。


5月15日のブログで、無料アップグレードに関する説明があった。


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