日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月11日、OpenStackの最新安定版である“Kilo”リリースにおいて、コンバージドストレージの管理自動化やフラッシュストレージなどの技術を、HPの貢献により導入したことを発表した。OpenStack環境のストレージと管理を効率化する機能群。
HPでは、2014年から商用OpenStackディストリビューション「HP Helion OpenStack」を提供(関連記事)すると同時に、OpenStack Foundationの創設プラチナメンバーに就任するなど、オープンソースのクラウド技術であるOpenStackコミュニティへの貢献を続けている。
HPは今回、OpenStack Kiloリリースにおいて、ストレージ分野で「アプリケーション中心の自動化されたコンバージドストレージ管理機能のサポート」「KVM仮想化技術を企業の実運用環境に対応させること」の2点を戦略的目標として、ストレージと管理を効率化する下記の各新機能を導入している。
・Evaluator Scheduler:
ワークロードリクエストごとにストレージのリソースを自動的に割り当てることで、管理性とリソースの効率性を向上させる。
・Adaptive Flash Cache:
ストレージシステムのDRAMキャッシュに対する仮想拡張機能として、フラッシュを用いた「フラッシュキャッシング」を利用可能にする。これにより、クラウド環境におけるI/O集約型ワークロードの提供コストを削減する。
・エクスプレス・インデックスによるThin Deduplication:
インラインのブロックレベル重複排除機能を使用したデータ圧縮機能。容量利用率の向上と、フラッシュドライブの長寿命化を実現する。
・Manilaファイルサービス:
本機能を使用することで、「HP 3PAR StoreServ」ストレージが、ブロック/ファイルのワークロードを単一ストレージプールに個別に格納できるようになる。
なおHPでは、Helion OpenStackの次期バージョンにおいて、OpenStack Kiloをベースとしたディストリビューションを提供する予定としている。