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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第404回

富士フイルム「X-T1」を持って都内の猫スポットを訪ねる

2015年04月30日 21時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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猫に触ろうと手を伸ばす少年と
それに気づかないフリをする猫

 都内のとある神社である。

 具体的な場所は内緒。理由はいろいろあるけれども、たとえば、猫を撮りながら猫ボランティアの人と話をしていると「ここに猫がたくさんいるとわかったらこっそり捨てに来る人がいるから」という話がよく出てくる。

 ネットに街の猫写真がたくさんあがっている時代ゆえに、それを悪用する人もでてくるわけで、この連載でも猫がいることで有名な場所以外は、なるべく具体的な場所を書かないようにしております。ご了承ください。

 で、日が傾いてちょっと暗くなってきた頃到着すると、いきなり1匹お出迎え(冒頭写真)。

 いいツラガマエしてるので、木の陰からこそっと狙ってみた。

 神社にたどりついて石段に腰掛けると、左からとことこと歩いて目の前を横切る猫あり。

 おおこれはよい感じ、とおもわず撮影。

拝殿前の石段に座って休憩してると左手にいた猫がとことこと歩いてきたので思わず撮影。右に石鳥居の基部が写ってます(2015年4月 富士フイルム X-T1)

拝殿前の石段に座って休憩してると、左手にいた猫がとことこと歩いてきたので思わず撮影。右に石鳥居の基部が写ってます(2015年4月 富士フイルム X-T1)

 写真を見ると、奥に、めざとく猫を見つけて駆け寄ってくる子供あり。猫はそれに気づいて草むらに隠れちゃいました。猫は子供を恐れてるからね。

 そんな感じで猫の写真を撮ってたら、猫好きらしい親子が「実はそこにもいるんですよ」と教えてくれた。おお、それはありがとうとそちらにレンズを向けると、木に猫が棲んでる!

木の上に猫がのんびりくつろいでるの図。ほどよく茂ってて落ち着く場所なんでしょう。ここなら人にも気づかれにくいしね(2015年4月 富士フイルム X-T1)

木の上に猫がのんびりくつろいでるの図。ほどよく茂ってて落ち着く場所なんでしょう。ここなら人にも気づかれにくいしね(2015年4月 富士フイルム X-T1)

 いやあうまく隠れるもんですな。

 人から逃げて木に登ったというよりは、そこが定位置という落ち着き感。実はここに巣を作って棲んでるようにしか見えません。

思わず「猫ふくろう」と名付けちゃいました。羽海野チカの作品に猫がフクロウに見えたというシーンがあって、それを思い出したのである(2015年4月 富士フイルム X-T1)

思わず「猫ふくろう」と名付けちゃいました。羽海野チカの作品に猫がフクロウに見えたというシーンがあって、それを思い出したのである(2015年4月 富士フイルム X-T1)

 猫を正面から撮ろうと反対側に回ると、その姿はフクロウかミミズクか。すっかり馴染んでる。木を隠すなら森に、と言われるけど、猫もまた同じかも。

 木に登る猫ってたまに見かけるけど、これだけ落ち着いて馴染んでるのはなかなかいない。あまりにきれいに収まってるので脅かさないようこっそり撮らせていただきました。

 さて猫の場所を教えてくれた親子の子供の方。どうしても猫に触りたいらしく、母親に「さわっていい? さわっていい?」としきりにおねだりしてる。

 そして、ちょこんと座ってる猫にそーっと近づいてこわごわ手をのばす。猫は気配に敏感だから気づいてないわけないんだけど、気づかないふりをしてるのか、まあいつものことだからしょうがないなと思ってるのか。たまたま反対側からカメラを覗いてたこっちがドキドキするわー。

猫を背中から触ろうと、そーっと手をのばしてる子供と、気づかないふりをしてる猫(2015年4月 富士フイルム X-T1)

猫を背中から触ろうと、そーっと手をのばしてる子供と、気づかないふりをしてる猫(2015年4月 富士フイルム X-T1)

 彼はそーっと手を伸ばしてちょっとだけ触ってうれしそうに帰って行きました。

 猫はといえば、触られた瞬間に振り向いて一瞥しただけで、微動だにせず、あいかわらずそこに鎮座。

 さすが、都会の猫は肝が据わっておりますな、と感心することしきりなのでありました。もっともそんなのはこの猫だけだったけど。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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