約1000円で月額3GBの高速通信という時代になってくると、安いブロードバンドということで筆者宅に導入していたADSLも置き換えてしまおうかと考えている。
しかし、問題はその操作方法。モバイルルーターの中にはクレードルを付けることで有線LANに対応するものがあり、ハブを使うことで通常の固定回線として使うことができるが、ある部分がどうしても固定運用に向かないのだ。
モバイルルーターは電源の入れ方がわかりにくい
モバイルルーターのほぼすべてで言えることだが、電源のオン/オフは電源ボタンの長押しである。そして、動作中であるかどうかは何らかのボタン操作をしないとわからない。動作中、ずっと動作状態をLEDや画面で表示しているわけでもない。
一方で、固定回線用のADSLモデムや光ファイバーの終端装置、固定用の無線LANルーターは基本的に電源スイッチはなく、コンセントの抜き差しが電源のオン/オフ、というわかりやすい仕組みになっている。
モバイルルーターは電源アダプターをつないだだけでは電源は入らず、電源ボタンの長押しをしなければならないわけだが、これは何を意味するかというと、機械操作に疎い人しかいない環境では、よく説明しておかないとネット回線を立ち上げることができないのだ。
例えば、実家にブローバンド回線を提供するような場合、「ネットが繋がらない」と言って呼び出された経験のある人も多いと思う。コンセントを差していればオンという装置は、メンテナンスフリーでたいへんありがたいものなのだ。
また、使わないときはコンセントを抜いて電気を切り、無線LANも完全に止めたいという要望を受けることもある。そして、使いたいときはコンセントを差したらすぐ使えるようにしたいという、ADSLモデムや通常の無線LANルーターでは当たり前のことを要求されるのだ。
WiMAXには「URoad-Home2+」という、まさにこの要望を満たしてくれる通信端末があるが、格安SIMも使えるLTE/3Gにはこのような端末はない。
そこで、時代を逆戻りするようだが、USB接続のモバイル通信端末と、USBポート付きルーターという組み合わせを探ってみたい。これなら、ルーターの電源ケーブルの抜き差しで、通信環境のオン/オフが可能なはずだ。
USB端末とUSBポート付きルーターという組み合わせ
現在でもUSB接続のモバイル通信端末は存在している。ノートPCの横に出っ張ってしまうが、無線LANの混雑と関係なく使える点やモバイルルーターの充電管理の不要なことを考慮すれば、今だからこそ利用価値のある端末である。
現行の最新機種を調べてみると、ドコモでは「L-03F」が最新で、クアッドバンドと下り最大150Mbpsに対応している。しかし、問題はこのモバイル通信端末を接続できるルーターがヤマハの「NVR500」「RTX1200」「RTX1210」くらいしか見つからず、かなりお高くついてしまうこと。
逆に、モバイル通信端末の接続が可能な無線LANルーターを調べてみても、残念ながら現行機種ではヤマハの製品のほかではマイクロリサーチの「MR-GM2」くらいしかない。MR-GM2は少し前の2バンドLTE対応の「L-03D」が使えるが、IEEE 802.11b/g/n対応と少し物足りないスペックで、価格も1万5000円程度と割高だ。
中古で検討するともう少し範囲が広がる。L-03D対応ではロジテックの「LAN-W300N3L」とアイ・オー・データ機器の「DCR-G54/U」がある。LTEの対応という面では若干不安な2.1GHz帯の1バンドしか対応しないL-02Cが使えるものでは、バッファローの「WZR-450HP」「WZR-HP-G450H」がある。バッファローの2機種の相場は3~5000円程度。ネットオークションにも豊富に出品されていて、この中ではもっとも入手しやすい。
しかも、L-02Cも中古相場が非常に安い。ネットオークションで調達すれば、合計で5000円以下で手に入りそうだ。
また、データ通信端末がLTE対応でなくてもよければ、もう少し範囲は広がる。格安SIMで使うことを考えると、USBデータ端末はドコモのものにするしかないが、3G対応のものでも使え、バッファローの対応表を見れば、もっと手軽に入手できそうな無線LANルーターも並んでいる。
(次ページへ続く、「手持ちの3G端末+バッファローの無線LANルーターで試した」)

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