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ドコモの2014年度は減収減益、SIMロック解除まで180日は不正防止のため

2015年04月28日 19時10分更新

文● オカモト/ASCII.jp

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NTTドコモ 代表取締役社長 加藤 薫氏

 NTTドコモは、2014年度通期決算についてメディア向けの発表会を開催。同社代表取締役社長の加藤 薫氏が説明を行なった。

 2014年度のドコモは営業収益は4兆3833億円、営業利益は6390億円で、2013年度との比較でそれぞれ1.7%、22%のマイナス。大幅な減益となった。

 減益の要因は国内音声定額を含む、新料金プランにおいて、音声のヘビーユーザーが先行して移行した影響によるもの。一方で前年度の比較で、MNPによる流出は70%減、解約率は0.16%減、また総合ARPUにおいてもdマーケットを中心にしたスマートライフ領域の伸びにより、反転したとしている。

MNP流出が減少したうえ、新プラン導入によるARPU減少についても底打ちしたとする

 なお、純増数は前年度から2.2倍としているが、これにはMVNOやスマートメーターも含まれる。ARPUについては家族での複数台契約が増加しているため、現状のARPUが的確かどうか、また新しい指標を用いる考えを示した。

 ドコモ光は、3月末時点で23万件の申し込みがあり、モバイルの新規契約に寄与するなど堅調な立ち上がりという判断。一方で実際の工事が遅れている部分もあり、現状の開通数は半分をやや超えたところとのこと。いろいろなネックを解消しつつ、最大限の努力をしている最中とする。

堅調な立ち上がりを見せたドコモ光。実際の開通がやや遅れているという状況もあるが、ドコモのビジネス自体にプラスとする

 ネットワーク面では3月27日にキャリアアグリゲーションによる下り最大225Mbpsに対応した「PREMIUM 4G」をスタート。2014年度末時点で下り100Mbps以上に対応した基地局数は、5万7700局。当初予定の4万局、その後修正された目標の5万局を上回る展開となった。一方で設備投資は効率化し、前年度の7031億円、計画の6900億円から6618億円へと圧縮している。

設備投資自体は抑制気味ながら、下り最大100Mbps以上の基地局は予定を上回るペースで設置している

2015年度に下り最大300Mbps対応ネットワーク
dポイント、dカードなどにサービス名を統一

 2015年度の予想は営業収益4兆5100億円、営業利益6800億円と増収増益を見込む。増益部分は主にコストの効率化で、前述したスマートライフ領域もさらに拡大する予定。

 ネットワークでは、設備投資自体は6300億円にとどまるが、2020年度の5Gに向け、まず2015年度はキャリアアグリゲーションの高速化による下り最大300Mbpsの開始、さらに2016年度は3.5GHz帯の活用を進める。

来年度はコスト効率化をさらに行なう。一方ネットワークは下り最大300Mbps対応に

 中期的な目標としては、「競争」から「協創」と題し、顧客獲得競争から、ユーザーにより長く利用してもらうための施策を進める。そして多様化したユーザーには、さまざまなパートナーとのコラボレーションによって対応を行なう。

「競争」から「協創」。他業種とのコラボレーションを進める

 その一環としてパートナーのビジネスに「+d」という形で、付加価値創造を目指すのだが、まずドコモ側の対応として、ドコモポイントを「dポイント」に、DCMXを「dカード」、docomo IDを「dアカウント」とサービスブランドを統一するとともに、ビジネスの連携がしやすい名称に変更する。

パートナーとドコモのサービスとの協創の中で、サービスブランドを統一する

 さらに新ブランドスローガン「いつか、あたりまえになることを。」を発表。他業種やテクノロジーとの関わりの中で、お客さまにできるだけ、そういうものがあってよかったと思っていただけるようなものを1つでも創っていきたいと語った。

これが新しいブランドスローガン

SIMロック解除まで180日間の変更は不正防止のため
スマホベースのフィーチャーフォンを示唆

 説明会終了後の質疑応答では、SIMロック解除義務化やフィーチャーフォンなどの質問が行なわれた。

 SIMロック解除については、従来は購入直後から解除可能だったのに対し、5月1日以降に発売される端末では、180日経過後でしか解除可能にならない。この変更理由について問われると、「少ない割合かもしれないが、一部のユーザーが不正に入手して転売するという、悪意ある行為の防止という観点から必要」だとした。

 購入してすぐに海外に行くユーザーにとって納得できる変更ではないのではないか? という質問についても「指摘のとおりだが、不正があるため悩ましいところ」「いろいろ検討しての結果」とのことで、ユーザーの声を聞く姿勢も示したものの、当面はこの形で導入されることになりそうだ。

 一方のフィーチャーフォンについては、「SymbianやLinuxを使っている現状のフィーチャーフォンについては部品の問題があると聞いている」としたものの「ずっと提供していきたい」と断言。そのうえで、OSやプラットフォームをスマホベースに変更したフィーチャーフォンをリリースする可能性を示唆した。


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