2014年の夏くらいまで、格安SIMの相場といえば高速通信容量が月間1GBで約1000円という時代だった。しかし、2014年秋に2GBとなり、2015年春には突如として3GBで約1000円という時代に突入。そこで、格安SIMのこの春の値下げと増量をまとめてみた。
なお、今回はプロバイダーのウェブページや広告などに合わせ、記事内は消費税抜きでの金額を記載した。実際に支払い額は1回線あたり月額2円のユニバーサルサービス料を足した上で消費税の8%が加わった額となる。
月額900円のサービスならば支払い額は974円になる。表はすべてデータ通信専用の料金で記載した。
IIJmio は容量アップを発表! 2GB→3GBへ!!
この春の増量の先陣を切ったのは「IIJmio」。今まで増量や値下げの動きを最初に仕掛けるIIJmioだが、今回も3月10日に増量を発表。4月から増量したプランでサービスが提供されている。
具体的には、高速通信容量が月間2GBだった「ミニマムスタートプラン」が3GBに変更。SMSなしのデータ通信SIMで972円という月額利用料はそのままで、容量をアップさせた。
そのほかのプランも4GB→5GB、7GB→10GBと増量され、同じ料金で通信できる量が増えたり、反対に下の容量のプランでも済む場合はプランを下げることで支払い額を下げられる実質値下げとなった。
容量アップ以外は特にこれと言ったサービス拡充などはないが、フレッツ光とのセットサービスが開始されるなど、固定回線とセットで割安に利用できるサービスが開始された。
気軽に加入や解約ができるサービスが固定回線に縛られてしまうが、これまで安定して良質なサービスが提供されたきたIIJmioだけに、利用できる人はよりお得に利用できるので検討したほうがいいだろう。
「OCN モバイル ONE」も容量アップ!
繰越は1月からスタート
1日あたりの通信量を規定したプランが特徴の「OCN モバイル ONE」だが、4月からはそれぞれ容量がアップしている。月額900円プランの1日あたりの高速通信容量は110MBにアップ。しかも、2015年1月から容量の繰越制度がスタートしているので、前日使っていなければ220MBまで使えることになる。
当初は1日50MBでスタートしたデータ専用SMSなし月額900円のプランだが、ここまで増えれば容量のことをあまり気にすることがなくなりそうだ。そのほかのプランも容量がアップし、唯一最高速度が500Kbpsと制限された月額1800円のプランは通信容量が7GBから倍以上の15GBと大幅増加している。
なお、OCNの固定用光通信サービスと同時利用で料金を割引する制度は以前と変わらず、1回線あたり月額200円を引く。OCN モバイル ONE 5回線まで対応し、最大月額1000円の割引を受けることが可能だ。
高速通信1GB増量へ! BIGLOBEは容量アップ&繰越スタート
BIGLOBEは4月から少し遅れて4月17日から容量アップし、容量の繰越制度も4月からスタートした。内容はほかと同様にデータ通信SMSなしで高速通信容量が月間2GBだった「エントリープラン」が3GBへ、5GBだった「ライトSプラン」が6GBへ増量する。
月の途中での容量アップのため、4月17日より前に容量を使いきってしまった場合はいったん高速通信が止まるが、17日以降に容量アップ分だけ高速通信が復活する。4月トータルでは新しく増量された容量が適用されることになる。
また、容量の繰越制度もスタートする。前月に使いきらなかった高速通信容量は翌月まで繰り越せる。そのほか、「ライトSプラン」では直近72時間で600MBを超えた場合に速度制限がかかっていたが、これは4月17日から廃止される。
(次ページへ続く、「NIFTYの格安SIM「NifMo」も増量!」)

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