このページの本文へ

ドコモ、次世代電動車いす事業 自転車シェアなどもIoT化

2015年03月25日 22時15分更新

文● オカモト/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 NTTドコモは、次世代電動車いす「WHILL Model A」を開発するベンチャー企業のWHILLとともに、自治体や企業などを対象にソリューション提供を行なうことで合意したと発表した。

モビリティシェア事業に力を入れるドコモと提携した各企業/製品

 都内で行なわれたメディア向け説明会では、WHILLを始めとして、ドコモがこれまで実証実験で用いてきた共有サービス用の自転車、運用実験を行なう予定の電動歩行アシストカートや次世代自転車など、同社が「モビリティシェア」と名付けた事業の各製品について展示も行なわれた。

 まずWHILLは、これまでの電動車いすに対しデザイン/走破性/ソフトウェアの3点において、次世代化したものだという。外見的に非常に洗練されていることはもちろん、前輪は24の小さなタイヤで構成されていることが特徴的で、段差や砂利道なども問題なく走行できる。

未来的にも見える次世代電動車いす「WHILL」

 WHILL社には、NTTドコモ・ベンチャーズのほか、VCなどからも出資が行なわれている。導入費用は4年契約で1台あたり3万9000円を一例として取り上げており、テーマパーク、自治体などへの貸出を予定している。

四輪駆動の前輪が特徴的で、小さなタイヤを組み合わせることで走破性や左右への移動がスムーズ。後ろにはドコモが自転車共有サービスで開発したモジュールが

 ドコモの「モビリティシェア」への取り組みは、もともと千代田区、江東区、港区など自治体との協力で、2011年4月に自転車の共有サービスとしてスタートしたものだ。具体的には自転車にビーコンや通信モジュールなどを組み込み、認証/課金などをセットにしたソリューションとして、各自治体と実証実験してきた。

 NTTドコモ取締役常務執行役員 スマートライフビジネス本部長 ライフサポートビジネス推進部長の中山俊樹氏は、「なぜドコモが自転車と言われるが、(共有サービス用の自転車は)IoTそのもの」と語る。モバイル通信/GPSによる認証や位置管理などはもちろん、物理的な課金・ロックの仕組みが不要になり、保管スペースが節約できるなど、自転車共有サービスそのものにも大きくプラスになるという。

 実証実験の結果から事業化にメドが立ったとして、今年2月にはNTTグループの各社と共同で、株式会社ドコモ・バイクシェアを設立。本格的に事業展開を進める考えだ。

 また、それ以外の次世代移動機器を開発している企業との提携も発表された。今回紹介されたのが、電動歩行アシストカートの「ロボットウォーカー RT.1」(RT.ワークス)、立ち踏み式電動自転車「ウォーキングバイシクル」(片山工業)の2つ。両機器にもドコモが開発するモビリティシェアシステムを搭載しての実証実験を行なっていく。

お年寄りがよく使っている手押し車を電動アシスト化した「ロボットウォーカー RT.1」。坂道も感知して適切に動いてくれる

こちらは足踏み式自転車で電動アシストも搭載した「ウォーキングバイシクル」。着物でも運転できることもアピール。アクティブシニアに適していそうだ


■関連サイト

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン