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最新ユーザー事例探求第27回

自転車をもっと楽しむための新しいチャレンジ

パイオニアの「ポタナビ」を支えるM2M通信とIDCFクラウド

2013年04月09日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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パイオニアが提供する自転車用のナビゲーション製品が「ポタナビ」(potter navi)だ。自転車での気軽な散策を楽しめるよう、カーナビと異なる“ポタリング”というコンセプトで作られた製品と、それを実現するインフラ作りについて担当者に聞いた。

自転車で散策を楽しむ人の「ポタナビ」

 日常的な移動手段としてだけでなく、行動範囲を拡げたり、トレーニング目的で自転車をアクティブに活用するユーザーが増えている。こうしたユーザーのために開発された製品が、パイオニアの自転車専用サイクルナビゲーション「ポタナビ」(型番:SGX-CN710-W/-K)である。

パイオニアのサイクルナビゲーション製品「ポタナビ」
専用Webサイトである「Cycle Lab(サイクルラボ)」で情報を一元管理できるのも大きな特徴

 ポタナビの本体は240×320ドットの2.4型液晶を搭載するナビゲーション端末。専用クレイドルを使って自転車のハンドル部に取り付けて使うため、重量約100g、外形寸法59mm(W)×95mm(H)×19mm(D)と軽量・コンパクト。3Gの通信モジュールを搭載しており、専用Webサイトである「Cycle Lab(サイクルラボ)」で情報を一元管理できるのも大きな特徴だ。

 こう聞くと、ポタナビはカーナビを単に小型化しただけのように思えるが、実際は目的地までの最適ルートを表示する既存のカーナビや、トレーニング目的の従来のサイクルコンピューターとはコンセプトが異なる。ポタナビの名前の由来となっている“ポタリング”は、自転車を使って街を気ままに走る、いわゆる「散策的なサイクリング」を意味する用語。このポタリングを目的とするポタナビでは寄り道や散策を前提にしつつ、行き先や方向を見失わないよう目的地までのルートや方向を表示したり、あらかじめ設定した時間内に往復できるゾーンをサークルとして表示することができる。

パイオニア サイクルスポーツ事業推進部 ソフトウェアチーム 岡林弘紀氏(左)、同 企画チーム 宮崎和典氏(右)

 もともと自転車が好きで、3年前から企画を温めていたというパイオニアのサイクルスポーツ事業推進部企画チームの宮崎和典氏は、こうした「ポタナビ」のナビゲーションについて、「カーナビのように最短ルートを目指すものではありません」と説明する。「小回りが効き、袋小路でもすぐに戻れる自転車なので、迷うのもそれは1つの楽しみですが、目的地に着けないのは困ります。そういう方のために、行き当たりばったりの楽しみをリスクなくできるようにしたのがポタナビです」というわけだ。

TVで話題の店や休憩場所がポップアップ表示

 こうしたコンセプトで作られているので、「この先100m先を右折です」といったアナウンスは基本的には出てこない。極端な話、目的地すら設定しなくてもOK。その代わり、寄り道したくなるようなスポットや店をポップアップ表示させることが可能だ。たとえば、TVで話題になったお店や休憩場所、現地の天気情報などを表示できる。通信機能を持つポタナビならではの大きな魅力といえる。

オススメスポットがポップアップされる目的地と現在地をラインで結ぶ「ポイントライン表示」

 当然、専用アプリを入れたスマートフォンを自転車に取り付ければ似たようなことはできるが、「走行中にホルダから外れてスマートフォンが壊れてしまったという話も聞きますし、衝撃や水にも弱い。その点、ポタナビは防滴対応、耐振・防塵設計で、バッテリーも約10時間使用可能です」(宮崎氏)と、専用機としての強みをアピールする。

 もちろん、従来のサイクルコンピューターで実現していたようなトレーニング用途での使用も可能だ。ペダルの回転数を計測するためのセンサー(付属)を自転車に装着する。このケイデンスセンサーから収集されたデータは、ANT+という規格を使ってポタナビ本体にワイヤレス送信されることになる。「適正な回転数を保つことで、足腰への負荷を軽減するのに役立ちます」(宮崎氏)。

 また、自身の走行コースを作成したり、メーターのレイアウト変更までCycle Labから行なえる。初心者だけでなく、マニアックな使い方ができるのもポタナビの大きな特徴だ。

計測した走行情報を表示するメーターモード付属のケイデンスセンサーを自転車に取り付ける

 宮崎氏によると、「もともとサイクルコンピューターはトレーニング用のアスリート向け製品か、速度と距離を計測・表示するだけの安価で単機能なものしかありませんでした」という。そのため、よりスタイリッシュで、軌跡や走行ログを楽しめる製品を目指したという。また、NTTドコモと契約し、最大2年分の3G通信回線の使用料を組み込んだのも大きなポイント。わざわざPCにつなぐことなく、自律的にクラウドと通信し、ユーザーに最適な情報を収集できるのが特徴となっている。

(次ページ、M2M通信とクラウドが大きな鍵)


 

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