投資には手を抜かない
一方で、研究開発に必要とされる各種設備にも惜しげもなく投資している。
6階建ての事務棟とは別に設置された5階建ての実験棟には、温度30度、湿度80%の環境で稼働実験を行う高湿室、43度の環境で試験を行う高温室、1日1万回の開閉試験が行える扉開閉ロボット試験室、フレームやゴムなどの冷蔵庫に使われる部品の耐久性を検査する化学実験室、耐腐食性について実験する複合サイクル試験室、トレイなどの部品を試作する3Dプリンター室をそれぞれ用意。さらには、別棟として、輸送時の振動シミュレーションを行う包装試験棟、コンプレッサーやモーターなどの音を測定する無響音室などを持つ騒音試験棟を用意した。
これだけの試験設備を見ただけでもハイアールアジアが、日本において本気になって研究開発を行っていることがわかるだろう。
「ハイアールは中国の会社だが、日本人の知恵と知見、経験を生かしたい。そこに中国や韓国、アジアの技術の知見を組み合わせて日本の技術を世界に発信したい」と伊藤社長。
ハイアールアジアの本気ぶりを感じさせる研究開発拠点が、埼玉県熊谷に誕生した。
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