テスト条件
昨年までとテストを行なうCPUやマザーボードが変わっているため、計測条件やテスト内容も若干変更している。
テストには昨年と同じく、「OCCT Perestroika 4.4.1」を使用し、「CPU:OCCT」テストを10分間(待機時間5分間の計15分間)実行。テスト開始後、9分経過した時点を「高負荷」、テスト終了後5分経過した時点を「アイドル」として、各種温度やノイズなどを計測している。
なお、テスト終了後に表示されるOCCTの温度推移で、CPU温度が瞬間的に大きく上下することがあったため、モニターツールでチェックしたが、ファンの回転数や各種電圧などに急激な温度上昇の要因となる変動は見つけられなかった。そのため計測結果にはテストを10分実施した際の最高温度もまとめている。
また、ASRockの仕様なのか、オーバークロックの設定を行なうと、CPU温度に関係なくファンが全力で回転するようになってしまった。そのためマザーボードのファンコントロール設定は、ほぼフル回転状態になるデフォルト設定の「Standard Mode」に加えて、CPU温度によってファン回転数が変化した「Silent Mode」でテストするようにした。
その他の計測条件は以下の通りで、使用したグリスや暗騒音、室温などが昨年から変わっている。
- すべてバラック組み、マザーは水平に設置
- 室温20度前後
- 暗騒音32~34dBA
- ファンノイズはCPU位置からIOポート方向(マザーボードのPCケース取り付け時の排気ファン方向)へ30cmの位置で計測
- シリコングリスは熱伝導率8.5W/m・KのArctic Cooling「MX-4」に統一
- 「HWMonitor」でCPU温度を計測
- デジタル温度計をチップセット・メモリー・VRMのヒートシンクに貼り付けて温度を計測
さっそく各製品の紹介、テストを行なっていくわけだが、製品紹介部でマザーボードに搭載している写真は、あくまでも製品の大きさを把握してもらう目的のため、未固定、Socket AM3+マザーボードを使用している点はご了承いただきたい。また、取り付け方も、必ずしもその製品にとってのベストではない。
リテールクーラーでは
自動でクロックダウン……
まずはインテル製CPUに付属しているリテールクーラー。Core i7シリーズなどに採用されているCPUコアとの接触部が銅柱になっているタイプのものだ。
冒頭でも触れたが、リテールクーラーでOCCTを実行すると、定格動作でもコア温度は90度台に達してしまう。コア電圧1.35Vのオールコア4.4GHz動作はOSフリーズなどが発生してしまうため、テストは動作クロックやコア電圧など、すべて定格動作で実行している。
アイドル時(Standard Mode) | |||||
---|---|---|---|---|---|
CPU温度 | チップセット温度 | メモリー温度 | VRM温度 | ファンノイズ | ファン回転数 |
27℃ | 31.6 ℃ | 25.6 ℃ | 30.6 ℃ | 35.1 dBA | 1650 rpm |
高負荷時(Standard Mode) | |||||
---|---|---|---|---|---|
CPU温度(最高) | チップセット温度 | メモリー温度 | VRM温度 | ファンノイズ | ファン回転数 |
93 ℃(98 ℃) | 34.4 ℃ | 44.2 ℃ | 36.7 ℃ | 38.5 dBA | 2102 rpm |
静音性は2000回転前後で38.5 dBAとPCケース内に収めれば気にならないレベルだが、冷却性能については、「え、ダメじゃんコレ」と思わずにはいられない結果になっている。
普段使いではCPU:OCCTテストのような負荷が続くことは、あまりないので問題はないとも言えるのだが、やはり8スレッドに100%の負荷がかかる作業では、CPUクーラーは交換したほうが、安心できる。
なお、今回のテストでは動作クロックはおおむね4.2GHz動作を保っていたが、より長い時間ストレステストを実行すると、4GHz前後までダウンすることもあった。
ここからは2014年度版にエントリーした12製品をチェック。純正クーラーと比べていこう。
→次のページヘ続く (日本初上陸の独be Quiet!製クーラー)
この連載の記事
-
第4回
PCパーツ
最強はどれだ? 2014年CPUクーラー王座決定戦【第4回】 -
第3回
PCパーツ
再び王座を狙う! 2014年CPUクーラー王座決定戦【第3回】 -
第2回
PCパーツ
安価かつ高性能! 2014年CPUクーラー王座決定戦【第2回】 -
第-1回
PCパーツ
2014年CPUクーラー最強王座決定戦 - この連載の一覧へ