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新王者誕生なるか? 2007年下半期CPUクーラー最強王座決定戦!

2008年01月26日 23時59分更新

文● 加藤 勝明

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 高性能CPUクーラーはビジュアルの面白さの追求はもちろん、PCのチューンを行なう上では欠かせないパーツ。プロセスルールのシュリンクで低発熱CPUが大人気のご時世に、高性能CPUクーラーとは何の意味があるのかと考えてしまうかもしれないが、オーバークロックはもちろん静音化するにもCPUクーラーは絶対的に“冷える”ことが求められる。
 そこで今回は、本サイトで既に2回行なった「CPUクーラー最強王座決定戦」の2007年後半戦をお届けしたい。昨年7月以降登場したCPUクーラーの中から6製品をピックアップし、さらに既に1回の防衛戦に勝利した2006年度のチャンプを交えてガチの勝負をさせてみたい。今回エントリーした製品は次の通りだ。

今回ノミネートされたCPUクーラー達

今回ノミネートされたCPUクーラー達。(上段左上から右へ)インテル純正リテールクーラー、XIGMATEK「HDT-D1264」、Zalman「CNPS9700-LED」、CoolerMaster「Hyper 212」、Noctune「NH-U12P」、サイズ「NINA COPPER」、Thermalright「HP-01 Plus」、オーバーウェイジャパン「VSC-288」

セットアップ

 テストの内容は「StressPrime 2004 ORTHOS」を使いCPUに強い負荷をかけ、「Core Temp」を使いCPU温度を記録、どのクーラーがより低い温度になるかをという単純なものだ。今回はバラック組みではなく実際にPCケースに入れ、実際の利用環境に近い状態でテストを行なってみたい。

Arctic Cooling製シリコングリス「MX-2」

シリコングリスは付属しない(サンプル品ゆえに欠品しているものもあるのだ)ものがあったため、全テストでArctic Cooling製「MX-2」を使って実験した

Antec製PCケース「NINE HUNDRED」

テストのために用意したAntec「NINE HUNDRED」。天井に大型ファンのついたケースだが、今回は前面中段のベイと背面のファンのみ低速で回転させている

テスト

StressPrimeで強い負荷をかけつつ、温度をCore Tempで計測。テストは10分間行ない、温度の変化を記録した

 各テストはまず電源投入から10分間放置し、安定した状態の温度をアイドル温度として採用する。その後StressPrimeを10分間回し記録する。定格駆動の状態と2.81GHz(FSB350MHz)、コア電圧1.35Vにオーバークロックした状態でそれぞれ記録を行なう。室温は平均18度程度に維持している。

今回の検証で使用したマザーボードは「X38」チップセット採用のASUSTeK製「P5E」。リップル電圧や過電流を抑えることでオーバークロック時の安定性を高めたりするというCPUの電力管理を行う専用チップ「EPU」(Energy Processing Unit)を搭載。新たに第3世代へと進化した8フェーズの電源回路や2フェーズのDDR2メモリスロット用の電源回路を搭載する点、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの採用などがウリだ

 テスト機のパーツ構成は次の通り。CPUの省電力機能「C1E」や「EIST」はBIOS上で無効にしている。

テスト環境
CPU:インテル「Core 2 Duo E6750」(2.66GHz)
マザーボード:ASUSTeK「P5E」
メモリ:Transcend「TX1066QLJ-2GK」(DDR2 1066/1GBx2)
ビデオカード:Galaxy GeForce 7300GS
HDD:Seagate「ST3500630AS」(500GB SerialATA)
OS:「Windows Vista Ultimate」

リテールクーラーの実力は?

 まずはCore 2 Duo付属のリテールクーラーの実力からチェックしてみよう。筆者としては現在のリテールクーラーが採用している4本のピンで固定する方式は時々上手くはまってくれないマザーがあるため、いい加減脱却して欲しいのだが、E8500世代になってもまだ続くようで少々憂鬱である。

リテールクーラーのCPU温度グラフ

リテールクーラーのCPU温度グラフ

 結果は定格で使う限りはそれほど問題を感じないが、オーバークロックすると最後の1分程度は60度オーバーの世界になる。しかし前面と背面で1つずつ回しているファンの片方を止めるとStressPrimeでエラーが出るので、オーバークロック時はかなりカツカツになっていると想像できる。

(次ページへ続く)

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