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しっかり者のファイルサーバー、ReadyNASがやって来た! 第5回

仮想化環境のストレージとしても安心して使えるReadyNAS

ReadyNASをiSCSIストレージとして活用してみる

2015年01月16日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ReadyNASは、ファイルサーバー(NAS)としてだけではなくiSCSIストレージ(SAN)としても使えるストレージ(ユニファイドストレージ)である。NASとiSCSI SANは同時に使えるうえ、設定も簡単にできる。そこで今回は、ReadyNASへのiSCSI接続を試してみたい。

今回もReadyNASを触って試してみました

ネットワーク越しにドライブを接続するiSCSI

 iSCSIの技術的な説明は省くが(ASCII.jpの過去記事を検索してくださいね)、簡単に言えば「IPネットワーク越しに接続したストレージを、ローカルドライブのように扱えるようにする技術」である。たとえばデバイス(サーバーやPC)側のOSに対応したファイルシステムでフォーマットしたり、OSをインストールすれば起動ディスクにしたりすることもできる。

iSCSI接続のイメージ図。共有ストレージ上にあるドライブイメージを、ネットワーク越しにローカルドライブと同じように接続できる

 ドライブをデバイスに直結するのではなく、ネットワーク経由で接続することにより柔軟さが生まれる。複数のデバイスのドライブを共有ストレージに集約したり、複数のデバイスから同じドライブを共有することも可能だ。ネットワークの構築には一般的なEthernetスイッチが使え、Fibre Channel SAN(FC-SAN)のように高価な専用機器を必要としない点もポイントだ。

 近年、iSCSIストレージは仮想サーバー/仮想デスクトップ環境でよく利用されるようになっている。物理マシン間を仮想マシンが移動しても、ディスクが物理マシンに直結(固定)されていなければ、同じシステムを容易に利用できるからだ。ReadyNASの場合、主要な仮想化プラットフォーム(VMware vSphere、Microsoft Hyper-V、Citrix XenServer)からの認証を受けており、仮想化環境向けのiSCSIストレージとしても安心して使える。

iSCSIネットワークの構成と用語を理解する

 次に、具体的なiSCSIネットワークの構成を見ながらiSCSI関連用語を確認していこう。

iSCSIネットワークの模式図

 iSCSI接続を行うためには、デバイス側に「iSCSIイニシエータ」という機能(ソフトウェアやハードウェア)が必要だ。現在のWindows Server/WindowsやLinuxでは、OSにiSCSIソフトウェアイニシエータが含まれているのでこれを利用すればよい(Macではソフトウェア製品が販売されている)。

 一方、ストレージ側には「iSCSIターゲット」と呼ばれる、iSCSIイニシエータの接続先が用意される。iSCSIターゲットには固有の名前が付いており、iSCSIイニシエータはこのターゲット名で接続先を指定する。

 また、ストレージ上に用意される論理的な(仮想的な)ドライブは「LUN(Logical Unit Number)」と呼ばれる。あくまで論理的なドライブであり、ボリュームから必要なサイズのLUNを切り出して使う。上述のiSCSIターゲットはLUN(LUNグループ)ごとに提供できるので、複数のiSCSIイニシエータから異なるLUNに接続可能だ。ちなみに、ReadyNASが作成できるLUNの数は最大256個だ。

 なおReadyNASでは、前回記事で紹介した「回数無制限のスナップショット」がLUNに対しても適用できる。定期的にスナップショットを自動取得してくれる「スマートスナップショット」も設定可能だ。一方で、ReadyNAS内蔵のバックアップ機能はLUNに対応していないため、バックアップをしたい場合はデバイス側で対処する必要がある。

(→次ページ、それでは実際にLUNを作成してiSCSI接続してみよう

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