CPUはインテル、GPUはNVIDIAに、人気でやや差をつけられている感じのAMD。しかし、GPU性能は他社を圧勝しており、使用シーンによっては結構魅力的な製品がある。
DisplayPortによる60Hzの4K解像度出力が行なえ、1万円アンダーと手ごろな価格帯になっている「Radeon R7 250X」や、円安の影響で若干価格差は縮まってしまったが、NVIDIAのミドルハイGPU「GeForce GTX 760」と同レベルの3D性能を発揮しつつ、価格は安価とコストパフォーマンスいい「Radeon R9 280」搭載のビデオカードがそうだ。
そんなAMD製品群のなかで注目を集めているのが、2014年初めに投入されたAPUの“Kaveri“こと、Axx-7000シリーズだ。同APUが内蔵している「Fluid Motion Video」(以下、Fluid Motion)がスゴイと話題となっているからだ。
手ごろな価格ながら魅力的なポイントの多い
AMD APU
すでに登場から1年近く経っているが、2014年9月ごろに「BUY MORE秋葉原本店」が、A10-7000シリーズとA8-7600がサポートしている24pのBlu-rayビデオの映像を60pにフレーム補完するAMDの映像補完技術「Fluid Motion」のデモを店頭でスタート。
知る人ぞ知る技術だったが、24pで制作されたアニメが、実際に60pでヌルヌル動く様をその目で確認できるとあって、アニメ好きを中心に注目度が大幅アップ。
東映アニメーションと人気ゲームメーカーのニトロプラスがタッグを組んだ話題の3DCG映画「楽園追放 -Expelled from Paradise-」で、Fluid Motionが効くか試させてほしいと、複数の人が発売日にBUY MORE秋葉原本店の店頭に訪れたという、注目の高さが伺える逸話もある。
注目度大のFluid Motionは、APUのA10-7000/A8-7600(ノートPC向けAPUの一部も対応)とRadeon R9 290X/290/285、R7 260X搭載ビデオカードでサポートしている。
対応するAPUまたはビデオカードのいずれかと、Fluid Motionをサポートした再生アプリのCyberlink「PowerDVD 14」、BDドライブを用意すれば、24pで制作されたBlu-rayアニメなどをヌルヌルと動く映像で楽しめるようになる。
加えて、AMDのビデオドライバー「AMD Catalyst Control Center」には、映像をシャープにする“縁拡張”、古めの映画などにあるアナログノイズを除去する“デノイズ”、デジタルノイズを抑えるの“モスキートノイズ除去”、“ブロック解除”、グラデーションのマッハバンドを低減する“輪郭矯正解除”など、画質を向上させる設定が盛りだくさん。当然ながら安価なAPUもひと通りの画質向上機能をサポートしている。
正直、Fluid Motionか、画質向上のどちらかのみの機能だけなら、オススメとはなかなか言いづらいところだが、両機能で魅力倍増。とくにAPUは、省スペースで組め、OS込みの一式で8万円前後とコストパフォーマンスもいい感じになっている。
APUとMini-ITXマザーボード&小型PCケースを組み合わせて、2015年はヌルヌル動くBlu-rayアニメや画質向上させたさまざまな動画をPCで満喫するのも良さげだ。
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