米国でApple Payはどの程度受け入れられているのか?
では実際、Apple Payは米国でどの程度受け入れられているのだろうか。ForbesやMarket Watchの記事でも紹介されているが、ITG Market Researchが同サービスのローンチから6週間(1ヵ月半)でどの程度の市場シェアを開拓したのかの調査報告を出している。
それによれば、Apple Payを利用するユーザーが利用したチェーン店舗トップ3はWhole Foods Market、Walgreens、McDonald’sで、モバイルペイメント市場全体におけるシェアでは1.7%ほどを占めるという。なお、ローンチから3年が経過したGoogle Walletのシェアは同時点で4%だったとしている。
現在のApple Payの拡大ペースからすると、ホリデーシーズン商戦の終わった来年2015年初めにはさらにシェアが増加していると思われるが、個人的にはまずまずの水準だと考える。また、来年秋には2年縛りの終わったiPhone 5sからの乗り換えユーザーがApple Payを利用可能になるとみられるため、1年後の数字が非常に楽しみだともいえる。
筆者は今回1週間ほどかけてサンフランシスコ〜サンノゼのSFベイエリア周辺の小売店舗数十軒をまわり、Apple Payに対する反応や利用可能状況をみてみた。先ほどのように店舗側が積極的にApple Payの存在をアピールしているにも関わらず、iPhoneを読み取り機にかざすと怪訝な顔をする店員がまだ多かったことが気になった。
もちろん、これは場所にもよるかもしれない。例えば、サンフランシスコ市内のWalgreenでは複数の店舗で「隣のレジで会計している人もApple Pay」という状況に遭遇し、店員がApple Payをネタに客と談笑していることもある。またサンフランシスコ対岸のオークランドにあるRite Aidでは、端末にiPhoneをかざして決済しようとしたら「申し訳ないですが、Apple Payには対応していません」と説明してきたこともあった(後述するがRite AidはApple Payに非対応)。
比較的iPhoneを持っているような富裕層人口が多く、テクノロジーに理解があるサンフランシスコでもこの程度だ。日本の都市部におけるおサイフケータイ普及の域に達するにはまだまだ時間がかかるのかもしれない。