通信速度ではDIGNO Tが
終始リードし続ける
続いてLTE(4G)の通信速度の比較を行う。こちらもいつも通り、横浜駅前、東京駅ホーム、浦安駅前で測定サイトの「BNRスピードテスト 画像読込み版」を使いテスト。
なおテスト当日は12月上旬の平日午前中。天候は雨。AQUOS ZETAはアプリに標準ブラウザーがなく、Chromeを使用。DIGNO Tは通常ホーム画面に設定されているY!ブラウザでテストを行なっている(スクリーンショットは文字が見えやすいよう横画面とした)。
結果は以下の通り。
ドコモ「AQUOS ZETA SH-01G」 | ドコモ「ARROWS NX F-02G」 | ワイモバイル「DIGNO T 302KC」 | |
---|---|---|---|
横浜駅 (下り/上り) |
11.96Mbps/ 6.40Mbps |
9.55Mbps/ 4.04Mbps |
12.71Mbps/ 3.95Mbps |
東京駅 (下り/上り) |
16.16Mbps/ 6.47Mbps |
8.56Mbps/ 5.69Mbps |
13.88Mbps/ 7.92Mbps |
浦安駅 (下り/上り) |
7.31Mbps/ 1.72Mbps |
5.49Mbps/ 1.89Mbps |
28.65Mbps/ 7.92Mbps |
全計測の平均 (下り/上り) |
9.60Mbps/ 3.58Mbps |
7.34Mbps/ 3.33Mbps |
15.61Mbps/ 6.09Mbps |
多くのケースでワイモバイルのDIGNO Tが勝利。最大28.65Mbpsを記録した。全平均でも勝利し、エリアも常に4Gのアンテナが4本立ち、非常に良好な結果と言える。ワイモバイルというとイメージが沸きにくいが、AXGP方式のSoftBank 4Gネットワークに繋がっていることが多いのか、ドコモと比べると好成績だった。
ドコモの2機種は、本連載でチェックしているのはユーザー数の多い駅周辺ということで、なかなか通信速度が伸びない。また今回はAQUOS ZETAのテスト結果がなぜかARROWS NXよりも良かった。
ARROWS NXにはLTEとWi-Fiを同時に利用するマルチコネクション機能があるが、これについてはあらためて自宅でテストをしたので後述している。
ブラウザーの表示時間は逆転!
ARROWS NXが勝つ!
通信速度のテストとともに、ブラウザーの表示時間もチェックした。アプリのChromeを使い、ASCII.jpのトップページを表示。3回表示し、毎回キャッシュは削除している。時間はストップウォッチを使って計測した。
ドコモ「AQUOS ZETA SH-01G」 | ドコモ「ARROWS NX F-02G」 | ワイモバイル「DIGNO T 302KC」 | |
---|---|---|---|
横浜駅 | 4秒76 | 4秒57 | 5秒53 |
東京駅 | 4秒98 | 4秒82 | 5秒31 |
浦安駅 | 6秒39 | 4秒65 | 5秒81 |
全計測の平均 | 5秒67 | 5秒05 | 5秒79 |
こちらは面白いというか考えさせられる結果となった。通信速度では遅かったはずのARROWS NXが全勝。DIGNO Tはわずかな差とはいえ一番遅い。結果が逆転してしまった。
このテストでは通信速度は必ずしもそのまま反映されない傾向で、ウェブブラウザーの表示性能による部分が大きいのかもしれない。しかし通信速度が遅くとも、ブラウザーの表示で劣っているとは限らないようだ。
ARROWS NXの高速設定は
本当に効果があった!
最後に前述のLTEとWi-FiのマルチコネクションによるARROWSの高速設定の実力をチェックした。比較方法は4.4MBの画像を3枚用意し、メールに添付して送信。3パターンの設定でダウンロードし、その時間をストップウォッチで計測する。Wi-Fiは、筆者の自宅のWi-Fi環境を用いる。
3パターンは以下の通り。
1.初期設定(シングル高速、Wi-Fiオフ)
2.高速設定(マルチ高速、Wi-Fiとマルチコネクションをオン)
3.Wi-Fiのみで通信(モバイルデータ通信はオフ)
結果はこうなった。
LTEのみ | マルチコネクション | Wi-Fiのみ | |
---|---|---|---|
4.4MBの 画像ダウンロード |
16秒33 | 10秒48 | 14秒32 |
これは高速設定の効果が明らか。LTEのみの場合よりも6秒ほど速い。これは体感でも大きな差と感じる。3番目のWi-Fiのみの場合と比べても4秒ほど速い。これも体感で違いがわかるレベルだ。もっとファイルサイズが大きい場合や、アプリのダウンロードでも実感できるはずだ。
実は安定して速かった
AQUOS ZETAが1勝!
今回はAQUOS ZETAを勝ちとしたい。というのも、AQUOS ZETAは今回一度も3位を取っていない。どのテストでも1位か2位なのだ。様々な場面でサクサク使えるのではないだろうか。
ARROWS NXは慣れ次第でAQUOS ZETAに勝る結果が期待できる。DIGNO Tはスペックを考えると大健闘。ただ文字入力ではやや窮屈に感じてしまい、小さなスマホが好きな筆者でも、最近では「コンパクト=片手操作で有利」とは言えなくなってきた。ガラケーやPHSからの機種変更ならなじみやすいかもしれないが……。
次回はカメラ比較。スペックを考えるとDIGNO Tは不利のはず。AQUOS ZETA、ARROWS NXが順当に勝ってしまうのか? それとも予想外の結果になるのか? お楽しみに。
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