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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第114回

スマホで世界3位となったシャオミ、次はMVNOで通信キャリアに!?

2014年11月12日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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中国ではMVNOライセンスを獲得
今度はネットワークで価格崩壊!?

 個人的に気になっているのが、同じ拡大でもハードウェア製品ではなくネットワークサービスだ。報道によると、Xiaomiは中国政府にMVNO事業者としての申請を行っており、どうやら認可を得られた模様。中国政府は規制緩和の目的で2013年末よりMVNOを開始。すでにAlibabaなど25事業者が認可されており、合計のサービス加入者は20万人程度という。

 Xiaomiが参入することで、どのような影響があるのか。China MobileやChina Unionなどの既存のオペレーターは大きな懸念を抱いているとある関係者は教えてくれた。自社でインフラを持たずオペレーターの回線を借りて自社ブランドでサービスをパッケージして販売するMVNOは通常、オペレーターの価格プランより安価であることが多い。

 Xiaomiが端末分野で持ち込んだ価格崩壊をネットワークでも展開することは十分考えられる。Xiaomiを好む層はMVNOの潜在ターゲットでもあるのだ。さらには、MIUIと合わせて魅力的なサービスの展開がしやすくなる(アプリストアへのアクセスとダウンロードは無料にするなど)。なお、XiaomiのほかにLenovo、FoxconnことHon HaiもMVNOライセンス獲得していると言われている。

 ちなみにXiaomiはAppleを目指しているのではない。あくまで“インターネット企業”なのだ。Xiaomiの共同創業者兼CEOのLei Jun氏は、前職のKingsoftでNokiaやMotorolaの幹部と会った際に既存のモバイル端末事業モデルに課題とチャンスを見いだし、これが創業につながったという。Xiaomiの成功は中国発のアイディアやモデルが生まれているという点でも興味深く思う。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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