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山谷剛史の「アジアIT小話」 第98回

「キャンディークラッシュ」もどきアプリに中国式モノ作りを見た!

2015年05月07日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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中国で人気の「開心消消楽」。キャラクターは動物だが、まさに「キャンディークラッシュ」だ

 前回の記事で、小米のスマホ「紅米2」を入手した筆者は、人気アプリをダウンロードしてみることにした。プリインストールされているアプリストア「小米応用商店」を起動すれば、中国で今人気のアプリがダウンロードできる。

 中国では、Androidのアプリをダウンロードするのに、一般的にはGoogle Playは利用できず、小米応用商店など、さまざまな中国のアプリ配信サイトを利用する。

応用匯でのゲームアプリダウンロード数ランキング(左)とゲームアプリ売上ランキング(右)

 そのうちのひとつ「応用匯」が直近でリリースした2015年度第1四半期のダウンロードレポートにおいて、スタンドアロン(課金オプションあり)のゲームで「開心消消楽」というアプリがダウンロード数と売上高でトップとなった。開発は楽元素(HappyElements)で、中国での配信は騰訊(Tencent)だ。

 開心消消楽というゲームは、百度のモバイルレポートにおいても、ドライビングゲームの「3D狂野飛車」に続き2位になり、iOS版についてもAppStoreの中文版でトップになっている。

本家よりも人気なキャンディークラッシュもどきゲー

 この開心消消楽は、小米応用商店でもゲームとしてはトップに位置していたので、「これは遊ばねば」とインストール。動物アイコンを3つ並べて消すゲームなのだが、遊びはじめて数秒で気づいた。これ、「キャンディークラッシュ」そっくりのゲームだ。

 過去には「パズルアンドドラゴンズ」や「モンスターストライク」、「魔法使いと黒猫のウィズ」のニセモノが多数出ていたが、ランキングを揺るがすモノではないので、ニセモノとしては成功したゲームといえよう。

 キャンディークラッシュは、世界市場では2013年にダウンロード数で1位に、売上高で2位になっているが、この模倣作品の開心消消楽がこれを上回るとは一大事だ。 ちなみに、開心消消楽のそのまた模倣作品も多数でている(が、人気はない)のが中国らしい。

 キャンディークラッシュ本家は中国ではどうなのか。「糖果粉碎伝奇」という名で配布されており、配布自体は禁止されているわけではないようだ。

 しかし配布されているものは、Kingが配布している本家キャンディークラッシュに、中国の業者が勝手に広告を挿入し、セキュリティー的によろしくないものばかりが氾濫する。それがキャンディークラッシュ本家を遠ざける理由のひとつになっているのだから中国らしい。

 筆者は、「CandyCrashSaga」をこつこつと300面以上進めた経験がある。最初こそ「子供騙しのゲームか」とタカをくくっていたが、だんだんとステージの難易度は上がっていき、やがて「よほど運がよくないとクリアできない理不尽なステージ」ばかりとなってしまった。毎日こつこつと遊んでも、1週間に1ステージクリアできればラッキーという状態だ。

 最初は爽快感が目立ったが、やがて理不尽なプレッシャーがプレーヤーとなった筆者を襲っていった。

 そんな筆者が、中国でナンバー1の開心消消楽がどこまで遊べるのだろうか。200ステージを超えるまでひたすら遊び倒してみた。その感想を次ページで書いていこう。

(次ページに続く、「大体は似ていながらも細かいところで違いが……」)

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