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Oracle OpenWorldで希薄になった「SPARC M10」の存在感

どうなるSPARC?変わりつつあるオラクルと富士通の距離感

2014年10月02日 12時00分更新

文● 大河原克行

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オラクルと緊密な関係にある富士通。だが、両社が共同歩調をとってきた富士通のUNIXサーバービジネスが、ひとつの転機を迎えているといえそうだ。その側面が、米サンフランシスコで開催された「Oracle OpenWorld 2014 San Francisco 2014」でも垣間見られた。

オラクルは次世代SPARCプロセッサーをアピール

 一昨年のOracle OpenWorldでは、最上位のGlobalスポンサーとして、昨年はMarqueeスポンサーとして参加した富士通は、初日に行われた米オラクルのラリー・エリソン会長の基調講演と同じ枠で、当時の豊木則行執行役員常務(今年6月に退任)が2年連続で基調講演を行なっていたほか、昨年は会場で発表した「SPARC M10」が来場者の大きな関心を集めていた。

 しかし、今年のOracle OpenWorldでは、会期中に行われたラリー・エリソン会長をはじめとする同社幹部のすべての基調講演で、SPARC M10に関する発言は一度も聞かれなかった。さらに、米オラクルは今年8月のHotChipsカンファレンスにおいて発表した次世代SPARCマイクロプロセッサ「M7」を大々的に紹介。

米オラクルのシステムズ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるジョン・ファウラー氏は次世代SPARCマイクロプロセッサ「M7」を大々的に紹介

 米オラクルのシステムズ担当エグゼクティブバイスプレジデントであるジョン・ファウラー氏の基調講演では、同氏がポケットから「M7」のプロトタイプを取り出して、ソフトウェア・イン・シリコンをはじめとするM7の特徴を説明してみせた。ソフトウェア・イン・シリコンでは、オラクルと富士通が独自に強化する道を選択。そして、オラクルは、データベースに最適化した半導体開発において、インテルと協業することを示したのに加え、スポンサー基調講演では、米インテルのレニー・ジェームズ社長が、昨年までの富士通の立場で講演を行なった。

 こうした出来事からも、両社の距離感が明らかに変わってきていることを感じざるを得なかったのだ。

「オラクルはSPARC M10を評価している」

 だが、こうした見方に対して、富士通のサービスプラットフォーム副部門長・河部本章執行役員常務は、「SPARCとSolarisの市場成長が厳しいのは明らかだが、ここは尖った分野であり、富士通の特徴を生かせる領域でもある」とし、「オラクルにとっては、自社製品以外で唯一取り扱っている製品がSPARC M10。この位置づけが維持されていることは、オラクルがSPARC M10を評価しているという意味」と語る。

富士通 サービスプラットフォーム副部門長・河部本章執行役員常務

 そして、Oracle OpenWorldでは、最大規模の展示スペースを確保していることなどに触れながら、「オラクル自身は、ファーストプライオリティとして、自らのIPを売りたいという気持ちがあるのは確か。だが、時間をかけていくことで、オラクル社内での評価がさらに変わっていくだろうと考えている」とコメントした。

 そして、「富士通は2013年にSPARC M10を出荷し、今年4月には性能強化を図った。今後も1年ごとに継続的に性能を強化していく。SPARC M10は、15種類の標準的なベンチマークテストにおいて世界最高性能を達成し、さらにリキッド・ループ・クーリング技術により、熱に関する問題を解決することで、結果として筐体そのものを小型化できる。信頼性、グッドエントリーポイント、スケーラビリティという点では、ユニークなポジションを得ている」と続ける。

会場に展示されたSPARC M10

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