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業界人の《ことば》から 第106回

こんなとこにもクラウドが活躍

米余りの時代に米不足、「獺祭」人気の裏にある旭酒造の懸念

2014年08月26日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「足らなくても、増えていないのが山田錦。酒米は減反政策から外れており、あとは技術の問題。そこにITを活用する」(旭酒造・桜井博志代表取締役社長)

獺祭人気の裏に山田錦の供給難

 人気の日本酒として注目を集めているのが「獺祭(だっさい)」だ。

旭酒造の日本酒「獺祭(だっさい)」

 旭酒造・桜井博志社長によると、「獺祭は、毎年2桁の成長を遂げており、2009年度には3169石だったものが、2013年度には1万1307石となっている」という。

 日本酒は、「石」という単位を用いて計算するのがこの業界では一般的だ。1石は、1.8リットル瓶(一升瓶)換算では100本であり、1万石は、100万本となる。

 そして、昨今では、国内だけでなく、海外でも販売が増加していることも、「獺祭」人気に拍車をかけている。

 しかし、「獺祭」には大きな課題が生まれている。それは原料となる山田錦の供給が限界に達しており、それが獺祭の品薄につながっているのだ。

 桜井社長は、「今年度は、昨年度並みの1万1300石に留まる。これは我々が期待しただけの米が購入できないのが理由」と語る。

 そして、同社では、現在、地上12階、地下1階、延べ床面積3200坪の新本蔵を建設中であり、これが完成すると、現在の3倍になる5万石の生産能力を持つことになるという。

米余りの時代に、米が足りない山田錦。獺祭は、毎年2桁の成長を遂げており、2009年度には3169石だったものが、2013年度には1万1307石となっている

 「この時には、20万俵の山田錦が必要になる。そのためには、山田錦の安定的な調達に向けた新たな取り組みが、いまから必要になる」と語る。

 獺祭の原料となる酒造好適米の「山田錦」は、昭和30年代には、年間50万石が生産されたこともあったが、背丈が高く倒伏しやすい、収穫量が安定しないといった栽培の難しさや、販売先となる酒蔵が山田錦を積極的に購入しない時期が続いたことで、山田錦の生産者が限られ、「足らなくても、増えていない」(桜井社長)という状況にある。

 現在、旭酒造では、8万俵の山田錦が必要だというが、調達量は4万俵に留まっているという。

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