日本とアメリカの違い、熾烈な低価格競争など課題は多い
Chromebook普及に向けた課題とは
2014年08月28日 15時50分更新
低価格PC、ネットブックの再現?
Chromebookの普及ということを考えたときに思い出すのが、かつて低価格ノートPCとして話題になったネットブックだ。名前の通りウェブブラウジングを主な用途にし、低価格ライセンスのWindowsを搭載して3万円程度の価格から販売されていた小型ノートだが、2012年には販売を終了し、その存在も忘れられつつある。
ネットブックが市場から淘汰された原因はいくつかあって、iPadやタブレットの台頭、ノートPCそのものの低価格化、ディスプレー解像度の低さからWindows 8の「Modern UI」アプリがサポートされていない、などの理由が挙げられる。
価格面以外のバリューを作り出せなかったのが衰退のもっとも大きな原因といえそうだが、その観点から見ると、少なくともChromebookは単なるネットブックの二の舞にはならないだろうことが分かる。低価格でも高速で快適な動作、クラウドストレージによる複数人でのデータ共有の容易さ、大規模な設定管理のしやすさ、Google Appsとの密な連携など、他のマシンでは実現できない一定のバリューを提供しているからだ。
今後の焦点となってくるのは、やはり競合とのシェア争いだろう。PC市場における優位性を維持するため、現在Microsoftは再び低価格PC販売の動きを見せている。
Microsoftが7月のカンファレンスで発表した低価格PC「Stream」は、米Hewlett-Packardの開発で価格は199ドル、2014年末に販売開始を予定しており、東芝やAcerもこの低価格PCに参入を予定しているそうだ。また、法人や教育機関向け市場への対策として、OneDriveやOffice365などの無料使用分や、類似のサービスを提供する可能性も十分に考えられる。このタイミングでの投入でChromebookがどの程度の痛手を被るのか、現状では未知数だが、おそらくは厳しい戦いを強いられることになるはずだ。
いずれにせよ、Chromebookは今後のPC市場の動向を握る大きなカギとなるだろう。
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