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NEC米子会社と協業、OpenFlowで有線/無線LANを統合コントロール

メルーCEO、OpenFlowや11ac対応で「再びメルーの時代へ」

2014年08月01日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 メルー・ネットワークスは7月31日、来日した社長兼CEOのバミ・バスタニ(Bami Bastani)氏が出席する記者会見を開催した。バスタニ氏は、エンタープライズ市場における802.11ac規格やSDN(OpenFlow)の浸透が、メルーの競合優位性を引き出すことになるとアピールした。

米メルー・ネットワークス社長兼CEO、バミ・バスタニ氏

チャネル数の少ない11acで有利な「シングルチャネル」技術

 メルーの無線LAN製品は、複数のアクセスポイント(AP)が同一チャネルを使用する「シングルチャネル」技術を最大の特徴としている。他社の無線LAN製品では、隣り合うAPどうしで電波干渉が起きないように、最低でも3つのチャネルを使わなければならない(マイクロセル方式)。これまでも、AP配置のプランニングやAP間のデバイスローミングにおいて、シングルチャネル技術の優位性をアピールしてきた。

他社方式(シングルセル)とメルー方式(バーチャルセル)の違いの模式図。1チャネルで広域(複数AP)をカバーするため、用途別にチャネルを割り当てることも可能

 そして、エンタープライズ市場への11ac規格の浸透が始まると、シングルチャネル技術はさらに優位になると、バスタニ氏は説明する。11ac規格では、チャネルボンディング(複数チャネルを束ねて広い帯域を使用し高速化する)で最大80MHz(または160MHz)の帯域幅を利用可能だが、その能力をフルに発揮させようとすれば2チャネル(または1チャネル)しか利用できないからだ。「シングルチャネル技術によって、通信の容量、質ともに、他社比で優位になる」(バスタニ氏)。

11acではチャネルボンディングにより、Wave 1で最大80MHz(20MHz×4チャネル)、Wave 2で最大160MHz(20MHz×8チャネル)を利用可能。その場合はチャネル数が減るという問題がある

 バスタニ氏は、第三者機関(Tolly Group)による11ac AP製品のテスト結果を示し、40/80MHz幅で利用する場合、競合であるアルバネットワークスやシスコシステムズの製品よりも1.4~2倍高いスループットが得られたと強調する。また、メルーの11ac APはPoE給電に対応した低消費電力設計であり、競合製品のようにPoE+対応スイッチに交換する必要がないことから、TCO(総所有コスト)の面でも優位性があると語った。

 ちなみに、メルーの出荷製品における11ac製品の割合は、市場平均の20%(アナリスト予測による)を大きく超え、2014年第2四半期にはすでに70%にまで達しているという。

ONFのOpenFlow認証を受け、エンタープライズSDNに無線LANも組み入れる

 もう1点、バスタニ氏が強調したのがメルー製品のOpenFlowへの対応だ。「これまでのSDNは、スイッチ~データセンター間を中心とする議論だった。メルーがONFのOpenFlow認証を受けたことで、その範囲が無線LAN~データセンター間に拡大する」(バスタニ氏)。

 メルーは6月、無線LANベンダーとしては初めて、ONF(Open Networking Foundation)によるOpenFlow適合性認証を取得している。そして7月には、OpenFlow対応の有線LAN製品群を持つNECの米国子会社(NEC Corporation of America)との協業を発表している。両社製品間ではすでに相互運用性も確認されており、有線LAN/無線LANの統合ソリューション提供を目指すという。

 バスタニ氏が強調したのは、OpenFlowというオープンスタンダードに対応したコントロール機構を備えることで、単一ポリシーに基づく有線/無線ネットワークの統合管理がベンダーフリーで実現し、多様なサードパーティ製アプリケーションの活用も期待できる点だ。

 「有線LANと無線LANを統合管理しようとすれば、従来は特定ベンダー(独自技術)の製品を選ばざるを得ず、非常にコスト高だった。OpenFlowはこうした問題を解決する」(バスタニ氏)

OpenFlowへの対応により、単一ポリシーで有線/無線ネットワークが管理できるようになる。また膨大な数のアプリケーションへの対応も期待できる

 バスタニ氏はまとめとして、エンタープライズネットワーク領域に11acとSDNが到来することで、11nの登場以降しばらく変化の少なかった無線LAN市場にふたたび「メルーの時代」がやって来るだろうと述べた。「11acと有線/無線のSDN、メルーではこの2つを大きな発展要因になるものと捉えている」(同氏)。

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