日立アプライアンスは、野菜を眠らせて保存する「スリープ野菜」機能を業界で初めて搭載した「真空チルド」シリーズ11機種を、9月4日から発売する。
新製品のラインアップは、6ドアタイプで電動冷蔵ドアを採用した最上位機種のXシリーズが、517L〜670Lの4機種。予想実売価格は34万円〜42万円前後。スタンダードモデルのGシリーズが、6ドアタイプで475L〜620Lまでの4機種で、31万円〜34万円前後。また、5ドアタイプのSシリーズが、415L〜501Lの3機種で、26万円〜28万円前後。11機種のすべてにスリープ野菜機能、真空チルド機能を搭載している。また、今回の製品からミラーガラスモデルのMシリーズをXシリーズに統合した。
野菜を眠らせる「スリープ野菜」機能とは?
スリープ野菜機能は、野菜室の下段ケース奥側に設けたスリープ野菜スペースにおいて、搭載したLED光源を光触媒に照射することなどにより生成した炭酸ガスで、野菜を眠らせて保存。栄養素を守るのが特徴だ。
野菜から出るエチレンガスやニオイ成分が光触媒に接触し、光が当たることでこれら成分が分解され、炭酸ガスが発生する。さらに野菜の呼吸による炭酸ガスが加わり、野菜周辺の炭酸ガス濃度が上昇することで野菜の呼吸活動を抑制。眠らせるように保存し、野菜の栄養素を守るという仕組みだ。
同社の実験によると、スリープ野菜機能を利用することで、野菜を7日間保存した場合に、チンゲンサイでは、水分保存率は13%向上。小松菜では4%向上。また、チンゲンサイのビタミンCの残存率は17%向上、プロッコリーでは21%向上。サヤエンドウではビタミンB1の残存率が3%向上しているという。
「炭酸ガスの濃度を高める密閉度が高い構造が必要であり、上段、下段ケースをしっかりとロックする新たな機構を採用することで実現した。このロック機構は使い勝手も考慮している」(日立アプライアンス 家電事業部栃木家電本部冷蔵庫設計部主任技師の山脇信太郎氏)という。