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アセアン向けに左右両開き冷蔵庫の出荷も開始

シャープ、タイ工場で冷蔵庫累計生産1000万台を達成

2013年03月16日 13時30分更新

文● 大河原克行

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タイ工場における冷蔵庫生産ラインの様子

 シャープは、タイの生産拠点であるSharp Appliances (Thailand) Limited (SATL=サトル)において、冷蔵庫の累計生産台数が、2013年2月、1000万台に達したと発表した(関連リンク)。

3月11日にタイ工場で行なわれた記念式典の様子

 SATLの鈴木隆社長は、「1988年に冷蔵庫の生産を開始して以来、タイ政府や関係企業、タイのユーザーの支援により、冷蔵庫の累計生産1000万台を達成することができた。今後、2000万台、3000万台を目指し、タイ企業の一員として、経済と社会の発展に貢献したい」とした。

Sharp Appliances (Thailand) Limited (SATL=サトル)の鈴木隆社長

 SATLでは、1988年5月からタイ市場向けに冷蔵庫の生産を開始。当初は年間3万台の生産規模だったが、その後、アセアン地域を中心とした新興国のほか、中近東、オセアニア、欧州、米州、中国、日本なども供給先を拡大。2010年には冷蔵庫第2工場も稼働させ、現在、年間150万台規模の生産体制を構築し、約100ヵ国へ輸出している。金額ベースでは、アセアン市場向けの出荷が約6割。日本向けは1割以下に留まる。

 シャープの冷蔵庫は、SATLのほか、大阪府・八尾工場、中国のSSEC(Sharp Shanghai Electronics Corporation)、インドネシアのSEID(P.T.Sharp Electronics Indonesia)で生産しており、1000万台を達成したのは、インドネシアに次いで2番目となる。

 日本の八尾工場では、ドアの数が多い日本市場向けの付加価値中大型モデルを中心に生産。インドネシアや中国ではそれぞれの国内向けの生産を中心(中国では一部日本向けも生産)としている。それに対して、タイ工場では、140リットルタイプの直冷方式1ドア小型冷蔵庫から、605リットルのファン式4ドア大型冷蔵庫までを生産。23種類のシャーシを利用して、各国向けの仕様に合わせた生産を行なっている。

 「ユニットベースでの調達ではなく、部品ベースで調達し、生産プロセスの内製化を図っているのが特徴。品目数を作ることに強みを持つ生産拠点」(鈴木社長)という。

アセアン向け冷蔵庫として初めて左右両開きドアを採用した「SJ-BW30P」

 また、今回の1000万台の累計生産達成に合わせて、新たに同社独自の「左右両開きドア」を採用した2ドアボトムフリーザー冷蔵庫3機種を製品化。2013年3月からアセアン主要6ヵ国および中近東市場に向けて初めて出荷する。同社では「都市部に集合住宅が増加しており、限られたスペースでも効率よく使えるよう左右両開きドアを採用した」という。同製品は、「VEGE TOP」と呼ばれ、使用頻度の高い野菜室を上段に配置し、野菜ケースの取り出し口も大型化した「ヒポマウス野菜ケース」を搭載。プラズマクラスターイオン(PCI)も搭載している。

 左右どっちもドア、PCIを搭載した上位機種「SJ-BW30P」の市場想定価格は約1万5000バーツ(約4万8000円)となっている。

 冷蔵庫の生産において、最初の500万台を達成したのは2007年12月。その間19年を要したが、そこからの500万台は約5年で達成。今後年間150万台の生産規模を維持すると、3年強で1500万台に到達することになりそうだ。

 タイ工場は、冷蔵庫以外にも、エアコン、洗濯機、電子レンジ、ジャー炊飯器、空気清浄機、イオン発生機などを生産。従業員数は約2300人。一時雇用の1500人を含めて、3800人が従事する。

 タイ工場の第1号製品として、1987年に生産を開始した電子レンジは、1996年に1000万台、2009年に5000万台の生産を達成。2011年に生産を開始した洗濯機では、円筒型洗濯機のTOP LOAD DRAMを生産しており、屋外に置かれることが多いというアセアン市場の特徴を捉えて、防錆対策として筐体に樹脂を採用。それによりデザイン性の自由度を高め、ユニークな円筒型のデザインとしているのが特徴だ。

 また、1990年から生産を行なっているエアコンでは、2002年からPCI機能を搭載した製品を投入。現行のパワフルジェット気流搭載エアコン「PCI PALM」では、強い風を直接体に当てたいというアセアン市場のニーズに合わせて設計。暖房機能は搭載しないモデルとなっている。

 SATLの特徴のひとつに、白物商品の企画、開発、生産、マーケティングまでを一気通貫で行なえる体制を整えている点が挙げられる。

 2008年4月に冷蔵庫の開発部門を設置。2011年4月には、冷蔵庫、エアコン、洗濯機の各製品にそれぞれ商品企画部を配置。さらには2011年10月にエアコンの開発部門を発足。冷蔵庫では中小型商品をSATL主管で企画開発を行ない、エアコンでは普及型商品をSATL主管によって企画を進める体制を構築した。

 アセアン市場のニーズに合致したローカルフィットモデルが相次いで登場しているのも、こうした企画、開発体制がSATLにあることが要因だ。

 2011年10月のアセアン本部の設立以降、SALTにおける現地市場にフィットしたモノづくりを可能にする生産拠点へとシフトを加速。SATLが開発したローカルフィット商品、オンリーワン商品を、アセアン市場のほか、成長が見込まれる中近東アフリカ市場を中心に、供給先の各地域のライフスタイルに合わせたモノづくりを推進。グローバルに供給する「自己完結型生産ビジネス」の確立を目指す考えだ。


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