無線通信機能を搭載した
他社製の血糖計や体重計にも対応
今回発表した「スポットチェックモニタ HBP-1600」の機能拡張では、新たに無線通信機能を搭載した他社製の血糖計や体重計にも対応した。
「新たな測定データの取り込みニーズとして、体重計や血糖計の情報にも対応してほしいという要望が出ていた。今回の機能強化はそうしたニーズにあわせたもの」としている。
これまでは、RFIDを内蔵した別売りのオムロン電子体温計「MC-1600W-HP」や、「パルスオキシメータ HPO-1600-FP」を使用することで、これらをスポットチェックモニタ本体にかざせば、体温やSpO2の測定データを本体に転送でき、さらに本体の送信ボタンを押すだけで電子カルテに転送し、管理することが可能となっていたが、血糖計ではUSBを通じてデータ転送をしているに留まっていた。
今回の機能強化により、RFIDを搭載した5社の血糖計と直接連携。血糖計をスポットチェックモニタにかざすだけで測定データが転送される。また、体重計では、1社の機器と連携。専用の受信モジュールを組み合わせることで、ZigBee通信機能を搭載した身長体重計などで測定したデータを転送できる。また、これらで計測した測定データは、13社の電子カルテサービスと連携できる。
血糖計をスポットチェックモニタにかざすだけで測定データが転送される。また、体重計では、1社の機器と連携
さらに、今回の機能強化では、厚労省の医療情報システムに関するガイドラインに従い、真正性を確保。「看護師IDと患者IDを読み込むことで、作業の責任者による確定操作が行なわれるようにした」という。
看護師IDと患者IDを読み込むことで、作業の責任者による確定操作が行なわれる
今後は、重症患者の連続監視に向けて、心電送信機や生体情報モニタと連動。測定データの一元化と自動化の促進により、看護業務の効率向上を支援する考えだ。
団塊の世代が75歳になる2025年問題
オムロン ヘルスケアは、オムロングループの健康・医療機器事業を担う企業で、オムロンの連結売上高7730億円のうち、約11%の売り上げ構成比を占める。また、国内向け販売子会社として、オムロン コーリンを持つ。
オムロン ヘルスケア 執行役員専務兼オムロン コーリン 代表取締役社長の小林洋氏は、「オムロン ヘルスケアでは、地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献をミッションに、All for Healthcareをスローガンとしている。
医療事故を100分の1に減らすために、看護業務の効率向上を実現する機器として、スポットチェックモニタや手術室生態情報モニタ、病院セントラルモニタ、体温計などを製品化した。
また、寝たきり老人2分の1を目指して、高血圧、重症化抑制を目指し、自動血圧計、携帯心電計、血管機能検査装置などを製品化している」と前置きし、「日本では、団塊の世代が75歳になる2025年問題が懸念されている。平均寿命は80歳を超えているが、健康寿命が終わるとされる75歳以降、かなりの人が寝たきりになる可能性もある。
一方で、医療現場では、看護師不足が増加し、2012年度には154万人の看護師でいるのに対して、2025年には205万人が必要とされると見られている。だが、看護師の離職率が高いのも事実であり、過酷な労働環境は医療事故の発生リスクを高めることにもつながっている。勤務医が指摘する医療事故の原因には、医師の負担増、時間の不足、スタッフの不足、過剰業務による疲労が上位を占める」と現状を説明した。
オムロン ヘルスケア 執行役員専務兼オムロン コーリン 代表取締役社長の小林洋氏
看護師が不足し、労働環境がより過酷に
過酷な労働環境は医療事故の発生リスクを高めることにもつながっている
また、小林氏は、「当社では、新たにACCUMIL（アキュミル）によるブランド展開を開始する。ACCUMILは、的確、正確といった意味を持つAccurateと、日本語の"看る"の意味を持つMilを組み合わせた。看護支援センサをAcccumil Sシリーズ、生体情報モニタをAccumil Vシリーズとして展開。医療従事者が本業に専念できる環境を提供する」とした。
新ブランド「ACCUMIL」（アキュミル）。的確、正確といった意味を持つAccurateと、日本語の「看る」の意味を持つMilを組み合わせた
看護支援センサをAcccumil Sシリーズ、生体情報モニタをAccumil Vシリーズとして展開
今回機能強化を行ったスポットチェックモニタ HBP-1600も、今後、ACCUMILブランドを冠すことになる。
