衣類の質や天候にあわせて、脱水の強さを調整する
「脱水コントロール」機能
そして、3つめの機能が、衣類の質や天候にあわせて、脱水の強さを簡単に調整する「脱水コントロール」機能の搭載だ。
通常脱水の他に、「やわらか脱水」「しっかり脱水」を用意。「やわらか脱水」では、洗濯の脱水回転数を通常より低くして衣類のしわ付きを抑え、しわになりやすい衣類やデリケートな衣類のほか、脱水による型崩れが気になる衣類などに向いている。「しっかり脱水」は、脱水回転数を通常より高めることで、しっかりと絞りたいジーンズなどの厚物衣類のほか、天候が悪いときや、早く乾かしたいときなどに便利だ。
脱水コントロール機能は、欧州のドラム式洗濯機では、一般的に搭載されているもので、複数の回転数を切り替えられるようにしており、その切り替えの細かさで価格差があるなど、購入時の選択肢のひとつとして、重視されている機能だ。なかには5段階の脱水コントロールを搭載している製品もあるという。
日本では馴染みがない機能であることから、今回の製品では回転数は表示せず、「やわらか脱水」「しっかり脱水」と表示している。実際、「やわらか脱水」では1分間に400回転、「しっかり脱水」では1分間に850回転となる。ちなみに標準では1分間に800回転だ。
「脱水機能のみを使うという人は75%に達する。また、脱水時に衣料にあわせて、脱水時間を自分で調整するなど、脱水方法を工夫している人も多い。調査をしてみると、脱水時間が設定できることに魅力を感じるという人は65.5%に達しているのが現状。脱水機能に対するニーズはかなり多いことがわかった」とする。
これは日本のユーザーの潜在ニーズに対する、新たな提案だといっていいだろう。
そのほかの機能も充実
そのほか、洗濯のたびに洗濯槽を洗浄する「槽自動おそうじ」機能、しっかり脱水した後、風乾燥を30分行うことで、部屋干しでも乾きやすくする「部屋干しコース」、毛布や薄手のふとんを洗濯できる「毛布(ふとん)コース」、ぬいぐるみや靴の乾燥ができる「静止乾燥コース」などを用意。さらに、乾燥したくない衣類だけを取り出すことができる「乾燥まっててコース」といった機能も用意している。
「乾燥まっててコースは、洗濯工程終了後、乾燥工程に入る前に一時停止状態で待機するため、この間に熱をかけたくない衣類や部屋干しでもすぐに乾く素材のものなどを取り出せる。ここでは、結果として一度洗濯物をほぐす作業が入るため、その後乾燥する衣類も効率的に乾燥できる」という。
このように、ハイアールアクアセールスが発売する新型縦型洗濯機は、機能を大幅に進化させているのが特徴だ。
洗浄力という基本性能を新たな視点で捉えることで、技術進化を果たしたといえる。
一方で、三洋電機時代から継続していた、電解水を使用することで、洗剤を使わずに洗濯ができる「洗剤ゼロコース」は今回の製品では除かれた。脱水コントロール機能がコスト増になることや、新製品の特徴を際立たせるという点で、今回の製品では搭載を見送ったという。これは、今後の復活を期待したいところだ。
発売にあわせて「ネーミング(愛称)募集キャンペーン」も開始
同社では、同製品の発売にあわせて「ネーミング(愛称)募集キャンペーン」を開始している。
正式ネーミング(愛称)を考案した人には、同製品あるいは同社のロボットクリーナー「AQC-RB100C」をプレゼントするという。
同社では、このキャンペーンにあわせて、「この洗濯機シリーズを、当社洗濯機の中核を担う洗濯機シリーズとして、みなさまと共に育てていきたい」としている。
ツインパルセーターによる新たな製品を、今後の同社の洗濯機の柱のひとつに据える考えだ。