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倉庫まるごと米国へ、海外ECを成功させた逆転発想法 (2/2)

2014年07月25日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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海外進出ノウハウをシステム化して外販、米国事業強化へ

 ハミィは業務の効率化のため、早くからECサイトの受注管理システムを自社で開発、運用している。このシステムを「ネクストエンジン」と名づけ、1500社を超える国内ECサイト運営企業へ販売。現在は米国版「ネクストエンジン」を開発中で、1年後には他企業への提供を目指しているという。

 米国版「ネクストエンジン」は、英語が苦手でもほとんどの顧客対応を任せられるうえに、米国の書式に沿った伝票を印刷できるシステムになる。ECサイト運営者は、いかに売るかという、販売戦略を立てることに専念できるのだ。

「私たちが10年以上かけて培ったノウハウが詰まった受注管理システムです。これから米国でECサイト展開を計画している運営者にとって、ベースのインフラ部分が整った状態でスタートできるメリットは大きいと思います」

と樋口氏は自信をみせる。

 一方、ハミィ自身の海外展開は、自社サイト『Strapya World』とAmazonを主軸に、米国での販売に力を入れていく。『Strapya World Amazon』の売れ筋は、スマホケースをはじめ、機能的なもの、実用的なものが中心で、キャラクターなどが人気の『Strapya World』の売れ筋とはかなり異なる。

「2つの店舗のギャップをいかに埋めていくか、オリジナル商品の開発をしながら模索していきたい」(プラティック・ネイェック氏)

米国版アマゾン店。日本版アマゾン店よりも、さらに、機能、実用を重視した商品が売れる傾向にあるという

※ ※ ※

 小田原市に拠点を置き、海外に果敢にチャレンジし続けてきたハミィ。海外展開の担当者プラティック・ネイェック氏は、氏の故郷であるインドに海外向けEC事業のオペレーションを集結させ、5年後には海外向けEC事業の年商を20億円まで拡大する目標を掲げている。

1フロアで見通しのよい小田原本社の執務スペース。このような環境からユニークな製品が生み出されていく

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