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電卓、太陽電池に続く3件目

シャープのテレビ用液晶、IEEEの歴史的なデバイスに認定

2014年06月10日 18時55分更新

文● 大河原克行

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「テレビ用14インチTFT液晶ディスプレー」

 今回認定された「テレビ用14インチTFT液晶ディスプレー」は、シャープが1988年に世界に先駆けて開発したもので、家庭用テレビをブラウン管から液晶に置き換えるなど液晶産業の発展に貢献したことが認定理由。

 当時は3インチクラスのTFT液晶ディスプレイが主流だったが、ブラウン管テレビに匹敵する画面サイズとフルカラーの高画質表示を実現できることを実証した。

 その後、各社がTFT液晶の技術開発と生産設備への投資を加速させたことで薄型化、低消費電力化が促進。1990年代前半にはTFT液晶を採用したカラーノートPCの需要が飛躍的に拡大。さらに、PC用モニターや液晶テレビ、スマートフォンなどにもTFT液晶が採用され、液晶はエレクトロニクス産業において、半導体に次ぐ市場規模に発展した。

 記念銘板の贈呈式には、シャープの髙橋興三社長や水嶋繁光副社長、IEEEの次期会長であるDr.Howard E.Michel(ハワード・ミッケル)氏、IEEE関西支部長の小野寺秀俊氏(=京都大学大学院教授)など25人が参加。記念銘板の贈呈のあと、出席者全員で記念撮影を行なった。

 Dr.Howard E.Michel氏は、「シャープのテレビ用14インチTFT液晶ディスプレーの開発がすべてを変えた。これは、社会の利益を追い求めて技術の進歩に勤しんだ多くの技術者たちの努力の賜物であり、長年にわたる技術革新の積み重ねによるものである」と挨拶。

シャープの髙橋興三社長

 シャープの髙橋社長は、「名誉あるIEEEマイルストーンの認定を頂き、大変光栄に思う。テレビ用14インチTFT液晶ディスプレーは、ディスプレーの歴史を変え、液晶産業の発展の礎となるものであり、正にマイルストーンの名に相応しい技術開発だ。当社は2005年に電卓、2010年に太陽電池でマイルストーンの認定を頂き、今回で3件目の認定となった。これは、創業者である早川徳次の『人に真似されるものをつくれ』というチャレンジ精神を受け継いで事業を展開してきたことが評価されたと考えている。これからもお客様一人ひとりに“good life”を提供できるようイノベーションを生み出し、人のため、社会のために貢献できる会社であり続けたい」と述べた。

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