日本の事務機業界の活性化を通じて、日本を元気にする
松崎新会長は、2014年度の重点テーマとして、「ワークスタイルの変化への対応」、「グローバルビジネスへのさらなる対応」、「製品ライフサイクルを見据えた環境対応」の3点を掲げ、「これによって、業界の継続的な成長を意識していく」と語る。
「ワークスタイルの変化を理解し、その変化を先読みすることで、提供する製品やサービスを革新し、対応策を検討することが業界の陳腐化を防ぎ、業界全体のビジネス機会を拡大できる」とし、クラウド、モバイル、ビッグデータといった情報技術の進化に伴う、ワークスタイルの変化にも柔軟に対応することを目指す。
実際、複写機には、モバイルやクラウドと連携したサービスが相次いで登場している。それに伴い新たな利用形態の提案とともに、より利便性の高い操作性や、機器連携、新たなサービスビジネスの創出といった動きも加速している。
こうした動きを的確に捉えることで、事務機業界全体の変革を促進する姿勢をみせる。
さらに、松崎新会長が語るように、事務機器業界のグローバル活動への取り組み支援も重要なテーマだ。
「グローバルな事業活動が確保できるように、ITA拡大交渉や保護主義的な規制への対応を、関係機関と適切に対処し、成長国でのビジネス拡大のために情報を共有するとともに、提言、助言といった能動的な取り組みも行いたい」とする。 また、環境対応については、「環境先進企業が集まっているのがJBMIAの特徴でもある。各国の環境法規制、エコラベルへの対応、リスク対策などのほか、低酸素社会や循環型社会の実現に向けて、製品ライフサイクル視点で積極的な取り組みを行う」とする。
加えて、「標準化戦略」にも力を注ぐ。JBMIAでは、日本提案に基づく国際規格である支援リクエスト付きICカードシステムを提唱。規格の世界的な普及を図り、2020年に向けて実用化を図る姿勢を見せる。今年11月に、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催するIECでは、来場者参加型の実証実験を行う予定であり、日本発の技術規格の普及も重要なテーマとなる。
「日本の事務機業界の活性化を通じて、日本を元気にする」というのがJBMIAのスローガン。事務機業界を活性化し、グローバルで戦える競争力を維持し、そして、日本を元気にする活動に注目したい。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ