今回のことば
「事務機は、世界中で日本の企業同士がトップ争いをしている、日本にとって貴重な産業である」(一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会の松崎正年会長)
日本経済の持続的成長にはJBMIA参加企業がグローバルマーケットで成長することが必要
事務機の業界団体である一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)の新会長に、コニカミノルタの前社長であり、現取締役会議長である松崎正年氏が就任した。
松崎新会長は、「JBMIAは、グローバルでビジネスを展開し、世界各国で切磋琢磨し、強い競争力を持つ企業が参加している団体。いわば、事務機産業は、世界中で日本の企業同士がトップ争いをしている産業であり、日本にとって貴重な産業である」と前置きし、「JBMIA参加企業が、日本だけでなく、米国、欧州、新興国市場といったグローバルマーケットで成長することが、日本経済の持続的成長、日本の貿易収支、経常収支改善のためには必要となる。そこに当業界の使命がある。それに応えるためには、製品、サービスの革新、新興国での産業成長とともに、世界の主要プレーヤーであるという自覚のもとに、社会的責任を果たすことが必要である」と述べた。
JBMIAの発表によると、2013年(2013年1月~2013年12月)の複写機、複合機の出荷実績は、出荷台数が前年比3.1%増の441万5399台。出荷金額は13.0%増の8874億4800万円と成長している。そのうち、国内の出荷台数は4.4%増の58万2975台、出荷金額は2.7%増の2635億1600万円。海外は出荷台数が2.9%増の383万2424台、出荷金額は18.0%増の6239億3200万円と、国内外ともに成長している。モノクロ複写機/複合機は海外での出荷金額以外は、マイナス成長となっているが、カラー複写機/複合機は2桁の高い成長を遂げている。
また、ページプリンタや電子辞書、電卓、シュレッダー、電子黒板、タイムレコーダーといった同協会が網羅するすべての領域の会員会社の合計値は、前年比12.1%増の1兆4699億2100万円。国内は前年並の3915億7400万円だったが、海外は17.2%増の1兆783億4700万円と大幅な成長を遂げている。
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