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山谷剛史の「アジアIT小話」第72回

SARSやウイグル騒乱も影響! 中国インターネットの20年を振り返る

2014年05月01日 12時15分更新

文● 山谷剛史

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2005~2013年のインターネットユーザーの推移

2005~2013年の中国のインターネットユーザーの推移

 1994年4月20日、北京のハイテクパーク「中関村」のPC数百台が中国ではじめてインターネットに繋がった。

 サイバー万里の長城(グレートファイアウォール)による検閲や、外国のものにそっくりな独自のサービスなどが特徴の中国インターネットは20周年を迎えたことになる。

 中国のインターネット界隈のニュースサイトではこれを大きく扱いお祝いムード。ということで、初めて向けの人も兼ねて中国のインターネットを駆け足で振り返りたい。

Windows XP=インターネットの開始

 2013年末段階での現在の中国のインターネット利用者は6億1800万人(CNNIC調べ)だが、1億人を超えたのは2005年のこと。1994年から11年かけて1億人まで増えて、そこから8年で6億人にまで増えたというわけだ。

 インターネットが一般開放されたのがWindows 95が出た1995年で、1997年にCNNICが最初に行なった利用実態調査ではネットユーザー数はわずか62万人、接続しているPC端末は25万台であった。

 Windows XP発売の2001年末時点でもインターネット利用者は3000万人である(ほぼすべてのユーザーがWindows XPデビューだからこそ同OSへの愛着が強いのだ)。

 中国の最初のサイトは、深センの生活情報が掲載された「深セン之窓」(1995年)というサイト。中国で最初のページの文言は「Hello World」ではなく「環球新天地」(環球はグローバルの意)という言葉だった。

SARSの影響でネットショッピング文化が定着

10年前のインターネットカフェ。現在の環境は随分よくなった

10年前のインターネットカフェ。現在の環境は随分よくなった

 中国ではSNSが今も昔も活発だが、その元祖は掲示板サイト「一網情深」(1996年)となる。同年には中国初のインターネットカフェが誕生した。中国では今も標準的チャットソフトの「QQ」はWindows 98が出た後の1999年にリリースされ、初期のPCとインターネットを普及させるキラーサービスとなった。

 ちなみに、そのQQは今年4月に同時オンラインユーザー数が2億を記録している。QQが普及するまでの1990年代は、中国のネット論壇は日本でいえば草の根BBSのような雰囲気ができていた。

 当時の人気サイトは、各地の小さな掲示板と、立ち上がったばかりのポータルサイトだった。1997年には今に続く定番のポータルサイト「新浪」(Sina)や「捜狐」(SOHU)「網易」(NetEase)が立ち上がるともに、政府系サイト「人民網」が立ち上がった。無料の電子メールや個人のホームページ作成は1998年より目立つようになる。

 検索サイトの「百度」(Baidu)も中国のインターネットを代表するサイトだが、こちらは2001年に産声を上げた。また中国のインターネットといえば、オンラインショッピングが元気で、昨年の取引総額ははじめて10兆元(約164兆円)を超えたが、オンラインショッピングを牽引した「淘宝網」(Taobao)は2003年にスタートした。

 巨大な市場となっているが、わずか10年の成長で現在に至っているのである。中国を代表するサイトが登場する前は、検索ではYahooやGoogleが、オンラインショッピングではeBayが中国に進出し、中国標準となっていた。

 以前は中国人同士での買い物でも、ボッタクリやニセモノ問題から、顔の見えないオンラインショッピングは非現実的と思われていた。

 しかし時の運か、外出が難しくなったSARS騒動でオンラインショッピングのニーズが高まり、悪い意味での中国式商習慣を改善しようと淘宝網は努力し、支持を得た。もしSARSがなかったら今の中国のオンラインショッピングはずっと遅れていたはずだ。

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