Windows XPの延長サポート期間は2014年4月8日で終了となる。延長サポート=セキュリティ更新プログラムが提供される期間は残り2年を切った。Windows XPは中国で人気OSであるものの、2年はまだ先と思うのか、危機感はないようだ。
「海賊版天国」と揶揄される中国。相変わらず海賊版ソフトは電脳街のソフト屋でも住宅地のCD・DVD屋の一角でも売られているし、インターネット上も製品の中国語名がわかれば容易に見つかりダウンロードできるほど無法地帯ではある。
しかし、周囲を見回したところ、積極的に海賊版をダウンロードしているか、というとそうでもなく、必要以上のソフトをダウンロードしようというモチベーションはないようだ。中国でPCが普及したのはちょうどWindows XPが売られているタイミングだったこともあり、中国の多くのヘビーユーザーがWindows XPに思い入れがある(他の新興国でも同じ情況は大なり小なりあるのではないか)。
世界で利用されているOSシェアではWindows XPは42%、Windows 7は35%、Windows Vistaは8%、Mac OS Xは6%(NetMarketShare、3月調べ)となっているが、中国ではWindows XPは78.44%、Windows7は17.29%、Windows Vistaは1.42%、Mac OS Xは1.1%(百度統計)であり、中国はWindows XP利用率が最も高い国だと言われている。
Windows XPだけでなく、それ以降のVistaや7に関しても海賊版は出ているが、ダウンロードされていないというわけだ。
現在中国で発売中、ないし発売予定のメーカー製PCのモデルは、価格比較サイトに載っているもので、およそ約4万モデル。そのほとんどがWindows 7搭載機種だが、およそ6000モデルが「デュアルコア/クアッドコア」「GBクラスのメモリー」「TBクラスのストレージ」「DVDライティング機能」など最新のスペックながら「DOSプリインストールモデル」である。
DOSモデルはそのまま販売することもあるが、販売店の「サポート」としてDOSモデルの本体に海賊版OSをインストールすることはよくある。その際に「XPを入れてほしい」というニーズがあれば、こっそりWindows XPをインストールして客に本体を手渡す。
もちろん、パーツを一通り選んで買うだけで、追加費用無しでPCを組んで貰えるショップブランドPCにおいても、組んだ後にさりげなくOSを入れることは当然のサポートとなっている。

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