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じつはUSB DACと同価格帯で最新AVアンプが手に入る!

超簡単に本格ハイレゾ&Vサラウンド体験!ヤマハRX-V577

2014年03月25日 11時00分更新

文● 折原一也 撮影●篠原孝志(パシャ) 図版●shigezoh

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視聴者の前面に5本。この状態でサラウンドが堪能できるVirtual CINEMA FRONTは、AVアンプ初心者のための機能と言ってよいだろう

RX-V577は現実的な設置性を重視した
“我らのための”AVアンプ

 「せっかくAVアンプを導入するのだから、ホームシアターに拡張したい!」という人は、小型スピーカーをベースにして5.1chのシステムを組んでみるのもアリ。今回はヤマハの小型・低価格のトールボーイ型の5.1chシアタースピーカー「NS-PA40」をチョイスして、本格的なシアター環境の構築を試みた。

 ここでポイントとなるのは、RX-V577による音質補完機能の数々だ。試しにサラウンドスピーカーをフロントスピーカー代わりにつなげてみたところ、流石にTV内蔵のスピーカーよりも音質が良いとはいえ、やはりステレオ音源で試聴しても低音のパワーが物足りない。そんなときはExtra Bassを有効に。片手でつかめる程度のサイズにもかかわらず“相当頑張っているな”と思わせるような、馬力ある低音を聴かせてくれる。

自分を囲むようにスピーカーを設置するのは難しくても、テレビの周りに隙間を見つけて5本置くスペースは案外あるものだ

 ステレオ音源の再生能力は、例えばテレビアニメの場合ならOPED、そして本編の音にもストレートに効果が現われるので、スピーカーのクオリティーをAVアンプ側で底上げしてくれるというのはじつにありがたい。

 そして、もう1つ実際に視聴していて面白かったのが、やはり5.1chをフロントに集中して置けるVirtual CINEMA FRONT。繰り返しになるが、“後ろにスピーカーを置く”のはホームシアター導入のAV趣味において最大のハードルだ。

 NS-PA40のセットに含まれるサラウンドスピーカーを、トールボーイスピーカーの内側に置いて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q EVANGELION:3.33 YOU CAN (NOT) REDO.』(リニアPCMの5.1ch)のBDを視聴してみたところ、真後ろとまではいかなくても、確かに耳の後ろ近くまで音が回る。

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 冒頭のチャプターでは空間のスケールと包囲感が出せるだけでなく、BGMもバーチャルサラウンドを利用した広がりを体感できるので、普段のアニメ視聴とはひと味違った体験となることは間違いナシだ。

 さらにもう1つ、僕が“遊び”として試してみたのが、ステレオ視聴用に用意したヤマハのブックシェルフ型スピーカーNS-BP182を、2ペア用意した“2階建て”のサラウンド。

Virtual CINEMA FRONTを使うなら“2階建てスピーカー”という選択肢もアリだ

 Virtual CINEMA FRONTはセンタースピーカーレスの環境(4.1ch)でも使えるので、ハイレゾ音源再生を考えると高音質スピーカーを使いたいし、「予算をかけるならサラウンドのチャンネル数よりも音質だ!」という人向けの提案だ。

 このシステムでも実際に音を聴いてみると、Virtual CINEMA FRONTとしての支障はないし、かつ省スペースだ。地震の際の安定性など若干の不安要因もあるが、サラウンドスピーカーを前方に置くという発想で考えると、こんなスピーカーセットの揃え方も考えられるということで提案しておきたい。

ハイレゾに興味が沸いたなら、自宅の音環境をレベルアップしてくれるAVアンプも選択肢に入れてみよう

 ヤマハによれば、薄型テレビの登場以降、サラウンドを巡る設置環境はテレビ台の幅広&ローボード化が進み、大きなスピーカーを設置するスペースは削られてしまう傾向があったという。そんな環境に合わせて登場したスピーカーこそサウンドバータイプ。だが、ハイレゾ音源も聴きたいという贅沢なユーザーにはとっては決め手となる製品が存在しなかった。

 ヤマハのRX-V577は、音質にもこだわる薄型テレビユーザーにも、小型スピーカーのみならばExtra Bass、サラウンド体験ならVirtual CINEMA FRONTと、あの手この手で悩みに答えてくれる。

 拡張性を保持しつつ、あくまでも現実的な設置性/リスニング環境を重視した“我らのための”AVアンプといえる。ハイレゾ音源を入り口に、ホームシアターにも手を出してみたいという人にオススメしたい。

ヤマハ「RX-V577」の主なスペック
入力端子 アナログ音声:ステレオ×4、デジタル音声:光、同軸×2、映像:コンポジットビデオ×4、コンポーネントビデオ×2、HDMI入力:HDMI×6、その他:USB、有線LAN、Wi-Fi
出力端子 アナログ音声:スピーカー出力×7、AV OUT、ヘッドホン、映像:コンポジットビデオ×2、コンポーネントビデオ、HDMI出力:HDMI
その他の端子 YPAO、DC OUT
アナログチューナー FM/AM
消費電力 260W
サイズ 幅435×奥行き315×高さ161mm(無線アンテナ装着時:奥行き327×高さ221mm)
質量 8.1kg

兄弟機「RX-V477」「RX-V377」も発売

RX-V477

RX-V377

「RX-V577」「RX-V477」「RX-V377」3機種の差異
型番 RX-V577 RX-V477 RX-V377
内蔵アンプ数 7 5 5
定格出力 115/ch 115/ch 100/ch
バイアンプ対応
ネットワーク接続 Wi-Fi/Wireless direct/有線 有線
192kHz/24bit WAV/FLAC
96kHz/24bit Apple Lossless
ギャップレス再生
AirPlay
vTuner
AV CONTROLLER
HDMI入力/4K映像パススルー 6入力/○ 6入力/○ 4入力/○
ゾーン機能 OZone B

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