さっそくハイレゾ音源で聴きたい曲は……やっぱりアニソン!?
RV-V577を前にすると、あまりに多機能なので、ついつい本格的なホームシアターシステムばかりに目が行きがちだ。しかし、あくまでもRV-V577は実勢価格5万円以下の“入門機”であり、無理に本格的なホームシアターセットを組もうとせず、ステレオのリスニングから挑戦しても十分元が取れるのがいいところ。
「初めてのAVアンプを使ってハイレゾ音源をきちんと再生してみたい。ついでに、テレビの音が良くなるならそれも……」というくらいの気持ちで、気楽に始められる。
例えば、RV-V577に合わせるスピーカーは、ステレオで高音質に聴けるブックシェルフ型のヤマハ「NS-BP182」をチョイス。あとはWi-Fi接続のセットアップを済ませておき、PCにハイレゾ音源が保存してあれば、それだけでハイレゾ音源を高音質に鳴らせる環境が揃う。
実際に試してみた僕の場合、まずPCにはオーディオプレーヤー「Foobar2000」が入っているので、そこに「UPnP/DLNA Renderer, Server, Control Point」のプラグインを追加することでPCをNAS兼用としてWi-Fiのネットワーク経由で聴けるよう準備した。
そして再生の操作は、iPhoneに入れたヤマハの純正アプリ「AV CONTROLLER」ほか、一般的なDLNAコントローラーのアプリを利用できる。
さっそく、ハイレゾ音源として用意した珠玉のアニソンの数々を聞いてみよう。
まず、e-onkyoで配信中のTVアニメ『ガールズ&パンツァー』エンディング主題歌『Enter Enter MISSION!』(あんこうチーム)を聴くと、ハイレゾ音源らしいキメ細かな音とハイクオリティに脱帽。
続けて『TVアニメ「ガールズ&パンツァー」オリジナルサウンドトラック』(浜口史郎)は、テレビ放送で聴いたあの音源をより歯切れよいハイレゾサウンドで鳴らしてくれるだけでなく、音の“静”の部分までも冴え渡るサウンドで聴ける。
μ's(ラブライブ!)の『Snow halation』は、9人の歌声がキレイに分離しているし、執筆時点ではランキング2位のすーぱーそに子『すぱそにっ!』は96kHz/24bitで制作されていることもあり、音数の多い楽曲のなかでもボーカルがクリアに聞こえるのは、ハイレゾ音源らしいクオリティを素直に体感させてくれる。
一方、音楽配信サービスのMORAでは花澤香菜のセカンドアルバム『25』がFLACの96kHz/24bitのハイレゾ配信で提供されているのでさっそく聴いてみると、花澤香菜の独特の声質と優しい歌声を堪能させてくれる。この音質ならばファンも納得だろう。
ちなみに、写真のような「ハイレゾ再生をスピーカーで……」というのはハードルが高いと思う人もいるかもしれないが、当然RX-V577にヘッドフォンをつなげば、音を出しづらいワンルーム住居のような環境でもハイレゾ音源を楽しめるので、安心してほしい。
もちろん、RX-V577はテレビと共に使うためのシステムなので、一度セットアップしてしまえばテレビの音もそのまま鳴らせる。ハイレゾ音源を目当てにセットしたシステムでも、普段から観ている映画やアニメのBDが本来の高音質/サラウンドで鳴らせると考えれば、十分お買い得と考えていいはずだ。
付け加えると、テレビの音声を聞く際には、RX-V577に内蔵されている「MUSIC ENHANCER」を有効にすると、放送波として送られる際の音質劣化を補完してくれる。オススメの機能だ。