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“本命”、マンガ家さんと20型4Kタブ「TOUGHPAD 4K」を再び試す―颯田直斗先生編

2013年12月29日 04時30分更新

文● 林 佑樹(@necamax)、●イラスト 颯田直斗(satta7010

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パナソニック製20型4Kタブレット「TOUGHPAD 4K-MB5」(試作機)と、セルシスのマンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」で、道具として使えるかをチェックしてきた!

 2013年10月開催の総合IT展示会「CEATEC JAPAN 2013」で公開されていた、パナソニック製「TOUGHPAD(タフパッド) 4K UT-MB5」。法人向けでありつつ、イラストレーターやマンガ家さんにもジャストフィットな製品で、20型(15:10、230ppi)で解像度4K2K(3840×2560ドット)のIPS α液晶ディスプレー、専用電子タッチペンによる高い筆圧性能(2048段階)など、魅力的に感じている人は多いだろう。TOUGHPAD 4Kは、記事掲載時点で発売済みのハズだったが、開発精度を高めるべく発売を延期しており、登場は2014年2月中旬になる見通しだ。

 さて実は、CEATEC JAPAN 2013会場で、颯田直斗先生と筆者がTOUGHPAD 4K UT-MB5にセルシスのマンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」をインストールし、やたらペタペタと触っているとき、開発陣の方に「アレほしい」「コレこうしたほうがイイ」「ユーザーはこれ喜ぶッス」などと半ば思考ダダ漏れ状態で話していた(関連記事)。それもあってか、TOUGHPAD 4K UT-MB5開発陣から「もう1回触ってみて♥」との連絡があったのだ!

 ということで、東京都・汐留にあるパナソニックさんちにお邪魔して、チューニングされまくったTOUGHPAD 4K UT-MB5をチェックしてきたので、その様子をお伝えしたい! なお、タッチ&トライしたTOUGHPAD 4K UT-MB5は試作機であり、まだ仕様変更の可能性がある点を明記しておこう。

颯田直斗先生(の左手)。戦国BASARAマガジンで「〜Soul Revolution〜」のコミカライズを担当するほか、「二次元vs日本刀展」にも参加。また、局所的に左手デバイス自作野郎としても知られる

スペックに変更点はないが、レスポンスが大きく向上

 PCを利用したイラスト作成は、ほんの1年前まではデスクトップPCとペンタブレットか、Wacom製「Cintiq」シリーズといったほぼ専用機を用意する必要があった。そこに登場したのがデジタイザーペンで、タブレットを中心に採用され、筆圧を必要とする作業に必要なデバイスの敷居は低くなった。2013年で見ると、コストパフォーマンスや可搬性からデル製「Latitude10」などに人気が集まっており、またBay-Trail TベースのAtomを搭載するWindowsタブレットが登場したことで、より快適にイラスト作成を楽しめる環境が揃うものと思われる。

 そんな中、なぜTOUGHPAD 4K UT-MB5に“胸キュン”状態なのかというと、まずパネルの大きさだ。20型はA4を見開きで表示できるため、単純に描画領域が広い。その次が解像度で、コマゴマとしたインターフェースの多いアプリケーションを多用する場合は重要なファクターになる。そして、それらを支えるベーススペックの高さも見逃せない。

 TOUGHPAD 4K UT-MB5標準モデルのスペックは、Core i5-3437U vPro(1.90GHz)、4GBメモリー、ディスクリートGPUにNVIDIA GeForce 745M(2GB)、ストレージは128GB SSD(mSATA)となっている。スマートカードリーダー対応モデルのスペックは、8GBメモリー/256GB SSD。ディスクリートGPUの存在は、Adobe系アプリケーションを筆頭にGPU支援に対応するアプリケーションを多用するユーザーにとってはありがたいものだ。

 インターフェースは、USB 3.0端子、SD/SDHC/SDXCメモリーカード対応スロットなど。デジタルコンパス、加速度センサー、照度センサー、角速度センサーなどのセンサー類も搭載している。

重量は2.4kg。バッテリー駆動時間はカタログスペックで約2時間なので、ちょっと打ち合わせに投入するくらいが限界

 TOUGHPAD 4K UT-MB5のスペックは、タブレットとしては十分に高いものだが、業務用途として考えるとメモリーの少なさが気になるはずだ。この点は、作業をしながら細かくチェックしていただいた颯田直斗先生も話していた(後述)が、メモリーは最低でも16GBはほしいところで、写真の処理が多い場合はさらに増やして32GBはほしい。現時点だと8GBメモリーまでのラインナップだが、検討意欲はあるとのことなので、16GBメモリー程度のモデルは期待できるかもしれない。

 またもうひとつ。映像(動画)方面の場合は、このスペックでも追いつかないため、「打ち合わせ時のプレビューパネルとしてほしい」、愛用PCが別途あるものとして「インプットだけに絞ったモデルもほしい」という声が上がるハズ。筆者も同じで、この点も強くお願いしておいた(ていうか、超ほしい)。

室内で確認してもちょっと暗いと感じるほど、最低輝度を低くできる。最高輝度はやや低めで、室内だと最高輝度でもまぶしいと感じることはなかった。詳細は非公開とのことだが、sRGB100%に近い発色らしく、ビジュアル要素の打ち合わせが多い場合に都合がよさそう

データを変更しての色チェック。ベースはAdobe RGB 98%のパネルで調整し、PhotoshopでsRGBに変換(知覚的)したデータでのチェック。右の写真で階調の豊富さが分かるハズ。またもうひとつ、大人の事情で掲載できないが、グラビア撮影をしたデータでもチェックしてみたが、そちらの発色も良好。1ファイル150MBほどのTIFFだったがスムーズに展開した点も触れておきたい。これだけ発色がいいと、ちゃんとカラーマネージメントを行ないたいため、パネルの色調整機能がほしくなる

ピクセル密度は230ppi。液晶ディスプレー表面にかなり寄らないとドットが分からないため、通常の作業時の距離だとドットが気になることはまずなさそうだ

写真のように視野角はほぼ真横まで対応。カタログスペックでは176度以上になっている

専用クレードル「UT-VEB5000WU」も用意されていた。高さは2段階。ファジーな角度の調整は行ないにくいが、足の構造がシンプルなのでゴム足などを追加しやすく、ユーザーにとって作業しやすい傾斜角度が作りやすそうだった

クレードル(UT-VEB5000WU)側にあるインターフェースは、有線LAN(100BASE-TX)、HDMI出力端子(解像度上限は1920×1200ドット)、USB 3.0端子×3

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