2013年10月開催の総合IT展示会「CEATEC JAPAN 2013」で公開されていた、パナソニック製「TOUGHPAD(タフパッド) 4K UT-MB5」。法人向けでありつつ、イラストレーターやマンガ家さんにもジャストフィットな製品で、20型(15:10、230ppi)で解像度4K2K(3840×2560ドット)のIPS α液晶ディスプレー、専用電子タッチペンによる高い筆圧性能(2048段階)など、魅力的に感じている人は多いだろう。TOUGHPAD 4Kは、記事掲載時点で発売済みのハズだったが、開発精度を高めるべく発売を延期しており、登場は2014年2月中旬になる見通しだ。
さて実は、CEATEC JAPAN 2013会場で、颯田直斗先生と筆者がTOUGHPAD 4K UT-MB5にセルシスのマンガ制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」をインストールし、やたらペタペタと触っているとき、開発陣の方に「アレほしい」「コレこうしたほうがイイ」「ユーザーはこれ喜ぶッス」などと半ば思考ダダ漏れ状態で話していた(関連記事)。それもあってか、TOUGHPAD 4K UT-MB5開発陣から「もう1回触ってみて♥」との連絡があったのだ!
ということで、東京都・汐留にあるパナソニックさんちにお邪魔して、チューニングされまくったTOUGHPAD 4K UT-MB5をチェックしてきたので、その様子をお伝えしたい! なお、タッチ&トライしたTOUGHPAD 4K UT-MB5は試作機であり、まだ仕様変更の可能性がある点を明記しておこう。
スペックに変更点はないが、レスポンスが大きく向上
PCを利用したイラスト作成は、ほんの1年前まではデスクトップPCとペンタブレットか、Wacom製「Cintiq」シリーズといったほぼ専用機を用意する必要があった。そこに登場したのがデジタイザーペンで、タブレットを中心に採用され、筆圧を必要とする作業に必要なデバイスの敷居は低くなった。2013年で見ると、コストパフォーマンスや可搬性からデル製「Latitude10」などに人気が集まっており、またBay-Trail TベースのAtomを搭載するWindowsタブレットが登場したことで、より快適にイラスト作成を楽しめる環境が揃うものと思われる。
そんな中、なぜTOUGHPAD 4K UT-MB5に“胸キュン”状態なのかというと、まずパネルの大きさだ。20型はA4を見開きで表示できるため、単純に描画領域が広い。その次が解像度で、コマゴマとしたインターフェースの多いアプリケーションを多用する場合は重要なファクターになる。そして、それらを支えるベーススペックの高さも見逃せない。
TOUGHPAD 4K UT-MB5標準モデルのスペックは、Core i5-3437U vPro(1.90GHz)、4GBメモリー、ディスクリートGPUにNVIDIA GeForce 745M(2GB)、ストレージは128GB SSD(mSATA)となっている。スマートカードリーダー対応モデルのスペックは、8GBメモリー/256GB SSD。ディスクリートGPUの存在は、Adobe系アプリケーションを筆頭にGPU支援に対応するアプリケーションを多用するユーザーにとってはありがたいものだ。
インターフェースは、USB 3.0端子、SD/SDHC/SDXCメモリーカード対応スロットなど。デジタルコンパス、加速度センサー、照度センサー、角速度センサーなどのセンサー類も搭載している。
TOUGHPAD 4K UT-MB5のスペックは、タブレットとしては十分に高いものだが、業務用途として考えるとメモリーの少なさが気になるはずだ。この点は、作業をしながら細かくチェックしていただいた颯田直斗先生も話していた(後述)が、メモリーは最低でも16GBはほしいところで、写真の処理が多い場合はさらに増やして32GBはほしい。現時点だと8GBメモリーまでのラインナップだが、検討意欲はあるとのことなので、16GBメモリー程度のモデルは期待できるかもしれない。
またもうひとつ。映像(動画)方面の場合は、このスペックでも追いつかないため、「打ち合わせ時のプレビューパネルとしてほしい」、愛用PCが別途あるものとして「インプットだけに絞ったモデルもほしい」という声が上がるハズ。筆者も同じで、この点も強くお願いしておいた(ていうか、超ほしい)。