人気の840 EVOに
mSATA版が登場

Samsung SSD 840 EVO mSATA
「Samsung SSD 840 EVO」(以下、840 EVO)といえば、ビット単価に優れるTLC(Triple Level Cell)チップを搭載しながら、TLCでは不利となる書き込み速度の低下を大きく補う「TurboWtite」機能などにより、SATA 6Gbpsの性能限界に迫る速度を両立し、手頃な価格と高い性能を両立した大ヒットSSDだ。
ちなみにTLCとは、1個のメモリーセルに3ビットの情報が記録可能な、高密度な記録方式を採用したフラッシュメモリーのこと。一般的なMLC(Multi Level Cell:メモリーセルあたり2ビットの情報が記録可能なタイプ)に比べ、理論上では1チップあたりの最大容量が2倍にでき、ビット単価は半分にできる。
しかし1セルあたりの構造が複雑になるため、チップレベルでの書き換え回数(耐久性)や書き込み速度はMLCに劣る。こうしたメモリーチップレベルでの不利をコントローラーチップやファームウェアなどで補いつつ、コストの安さを最大限に活かせるSSDに仕立て上げたのが840 EVOだ。
その840 EVOに新しく、モバイルPCや小型PCで採用されるmSATA(別名「mSSD」)版が加わることになった。ただし発売が2014年1月と若干先で、現時点では(840 EVO最大の魅力とも言える)価格が未定なのが残念なところ。
しかしmSATA版のSSDは、インテルの「NUC」やGIGABYTEの「BRIX」といった超小型PCキット、そしてUltrabookなどのモバイルPCで採用例が急速に増えていることもあり、自作派にも近い存在となりつつある。
今回は、編集部が入手した840 EVOの250GB版を元に、mSATA版の実力とその魅力について紹介したい。
性能は2013年トップレベル
弱点の少なさも継承
さて、気になる性能はどうだろうか。端的にまとめると、「発売済みの2.5インチ版と変わらず、また2013年末のSSDとして十二分に戦闘力が高い」ということになる。
まず、速度や基本仕様といった公式スペックは、ラインナップから750GB版が消失した点を除いて、2.5インチ版とほぼ変わらない。
ほぼというのは、転送速度が2.5インチ版登場時に比べてファームウェアの改良により高速化され、またセキュリティー関連機能として「TCG/Opal」と呼ばれる高度な暗号化機能が増えたため。
この「TCG/Opal」では、OS起動前でもICカードや生体認証の使用を可能としたり、パーティションごとに使用ユーザーを制限できる。
ただし、これは2.5インチ版でも最新ファームウェアにより同等となるので、最新ファーム同士で比べると差はない。つまり、840 EVOの利点である高速性能はこちらでもキープされているわけだ。
Samsung SSD 840 EVO mSATAシリーズ 主要スペック | ||||
---|---|---|---|---|
容量 | 120GB | 250GB | 500GB | 1TB |
コントローラー | Samsung MEX | |||
NANDチップ (製造プロセス/インターフェース/セル構造) |
10nmクラス/Samsung Toggle DDR 2.0(400Mbps)/TLC | |||
キャッシュメモリー | LPDDR2 256MB | LPDDR2 512MB | LPDDR2 1GB | |
シーケンシャルリード | 530MB/秒 | 540MB/秒 | ||
シーケンシャルライト | 520MB/秒 | |||
ランダムリード(4K QD32) | 9万5000 IOPS | 9万7000 IOPS | ||
ランダムライト(4K QD32) | 3万7000 IOPS | 7万1000 IOPS | 8万8000 IOPS | |
ランダムリード(4K QD1) | 1万 IOPS | |||
ランダムライト(4K QD1) | 3万7000 IOPS | 4万 IOPS | ||
その他機能 | TCG/Opal、AES 256bit暗号化、ガーベッジコレクション、TRIM、S.M.A.R.T.など | |||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||
外形寸法/重量 | 29.85(W)×50.8(D)×3.85(H)mm/8.5g | |||
製品保証 | 3年間 |
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