ひょんなことから、「2014年のマジック界を占う」みたいなイベントのパネラーとして出ることになり、いまから憂鬱です。「オレがまた再ブレーク!」なんて、テキトーなことを言ってお茶を濁すことも考えましたが(笑)、入場料もいただくようなので、ちょっと真面目に考え中の今日この頃ですが……。
ギークな筆者としては、マジック業界のことよりも、ITや社会の動向を予測するほうが、なんとなく面白そう。だって、『岡目八目*』というじゃありませんか。そんなわけで、「IT岡目八目」というか、いつもの『知ったかぶりシリーズ』というか…、今回は「2014年の予想」をお送りしていきます!
* 岡目八目(おかめはちもく)事の当事者よりも、第三者のほうが情勢や利害得失などを正しく判断できること。囲碁から出た語。碁をわきから見ていると、実際に打っている人よりも、八目も先まで手を見越すという意から。出典「新明解四字熟語辞典」三省堂)
予測1 ヒットするのは『ジャンル』のイノベーション
日本人の気質として、サービスや商品の開発やビジネスモデル、エコシステムの構築にエネルギーを注ぎ込みがちです。しかし近年、ヒットしているのは「ジャンル」を含めた商品やサービスです。「『ジャンル』のイノベーション」とは、簡単に説明すれば「ユーザーの行為の発明」です。それも、ある程度まとまった人数が必要です。例としては、「iPhoneやiPadを買うために並ぶ」や、「『ツイートする』という行為を生み出したtwitter」、「スタンプを送信する」というコミュニケーションを生み出したLINEなどが挙げられます。
2014年にスタートしそうなのは、東京オリンピックを睨んでのスポーツ動画配信、兼インタラクティブ中継。追っかけ再生もでき、車の中や帰宅途中の電車でも観られるし、ネット回線を使うから、ワンセグと違い地下鉄でもOK。駅に着いたら一時停止もできるのがミソ。家にHDR(ハードディスクレコーダー)も録画予約も必要ありません。一見、テレビ局が手がけそうですが、放映権の扱いも含め、YouTubeやHulu、Foxなどのようなメディア・インフラ企業のほうがフットワークが軽いかも……、と予測してます。
予測2 電子書籍市場はさらに拡大するも、EPUB形式は……
EPUBの規格が悪いって言ってるわけじゃありません。ただ、現状は、電子書籍はメルマガやウェブマガジンと、時間シェアで拮抗しています。ご存知のようにEPUBはXHTMLファイル群をZIP形式で圧縮したもの。デバイスによってリフローしたり、再配布やコピーができない利点はありますが、その特徴ゆえに、EPUBリーダーアプリによっては、使い勝手が変わってしまいます。版元は最新デバイスの普及率を考慮して……、とダウングレードした仕様を選びがちになるかもしれません。
現在、日本語の縦書きのルビなどはHTML5を使って実現していますが、HTML5はW3Cの勧告に左右されます。インターネット・ブラウザーの統計変移を見ると明らかなように、多くの人、特に年配層はEPUBリーダーアプリのアップグレードに二の足を踏む可能性は大。そんなマーケットと最新規格にはさまれて、来年のEPUB形式もバタバタしそうな気配です。もちろん、アスキーの読者の皆様なら、デバイスもアプリも、サクッとアップグレードなさるでしょうが……。
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