突然で静かな船出になった「iPad mini Retinaディスプレイモデル」。編集部用のiPad mini Retinaディスプレイモデルを買いに行ったはずが、ついつい衝動的に自分用をゲットしたので、そのファーストインプレッションをお送りしていく。
初代「iPad mini」からの変化はないように見えるが……
iPad mini Retinaディスプレイモデルのハードウェアスペックは、CPU(SoC)が「A7」で、「M7」コプロセッサ搭載と、つまりiPhone 5sと変わりがない。体感速度についてはiPhone 5sからほぼ変化は感じられず、端的にいえば小型「iPad Air」といったところ。
一方、初代iPad miniと比べると、CPUが最大4倍、グラフィックパフォーマンスは最大8倍高速とうたうだけあって、スピードの違いを感じる方は多いだろう。また、ソフトウェアキーボードのレスポンスが超絶的によくなっている点はとてもうれしい。
「Retinaディスプレイ」の採用による利用体験は、大きな違いを見せている。とりわけ画素密度が326ppiになり、細かな文字も楽勝で読めるようになった点で恩恵を感じるユーザーが多いだろう(このあたりは後述)。
サイズは幅134.7×高さ200×厚さ7.5mmで、重量は331g(Wi-Fi+Cellular版は341g)だ。デザイン/サイズの面では、前モデルとの劇的な差はなく、ホールド感や重心配置にも変更がないため、見た目だけでは初代iPad miniなのか、iPad mini Retinaディスプレイモデルなのか、区別が付きにくい。特に、スリープ状態にしている場合、正面から違いを見つけるのは難しいだろう。背面上部にあるiSightカメラやデュアルマイクロホンの位置で判断するほかない。そのため、外観よりは中身に注目すべき端末になる。
iPad mini Retinaディスプレイモデルのカラバリはシルバーとスペースグレイ。スペースグレイの配色は、初代iPad miniとは違っており、iPhone 5sと同じカラーリングになっている。このため、実機を見るとシルバーかスペースグレイかで迷う人がいるだろう。どちらも、なかなか渋い雰囲気なのだ。
iPad mini Retinaディスプレイモデルを
手に持った時の感覚は?
iPad mini Retinaディスプレイモデルを手に持った時の感覚は、文庫本(A6/105×148mm)を手にした際のものに近い。「iPad mini Smart Cover」を外した状態だと一層軽く感じるため、うれしいユーザーは少なくないだろう。
利便性やディスプレーの保護を考えると、「iPad mini Smart Cover」とセットで購入するよう検討すべきだが、素のiPad miniシリーズを片手に持ったときの「妙な充実感と期待感」は健在なので、店頭ではまず持ってみてほしい。