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業界人の《ことば》から 第62回

役割や機能を適切に示す言葉がない、文字シェアとMetaMoji

2013年10月23日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「音声、映像に続き、いよいよ文字がリアルタイムでやりとりできる時代がやってきた」(MetaMoJi・浮川和宣社長)

テキストは交互にやり取りするトランシーバーのようなものだった

 MetaMoJiは、グループコミュニケーションの新アプリ「Share Anytime」(シェア・エニイタイム)を発売した。

 「Share Anytime」の特徴は、インターネットでつながったモバイル端末上でドキュメントを共有。最大100人規模で、同時書き込みや編集作業が行えるという点だ。

 開発は早い段階から進んでおり、すでに、昨年末には製品版に近い形にまで完成していたが、「デジタルノートアプリであるNote Anytimeの機能強化などを優先したため、この時期になってしまった」と、MetaMoJiの浮川和宣社長は笑う。

 だが、完成に近い製品を、単に暖めていたわけではない。社内での活用を通じた実験や、改善、そして用途提案の広がりなどを模索してきた。

 そうした取り組みのなかで、社内では、Share Anytimeを利用して、社員による寄せ書きの実験も行った。実際に結婚する同社社員のお祝いを兼ねて行われたこの実験では、社員全員がiPadを通じて一斉に書き込みを行い、あっという間に数十人が書き込んだ寄せ書きが完成した。

 Share Anytimeで目指した、リアルタイムによるグループコミュニケーションの実現例のひとつだといえる。

 「電話によって、音声はリアルタイムで通信できるようになった。映像も、テレビ会議システムを通じてリアルタイムでやりとりができるようになった。だが、テキストは、メールでも、チャットでも交互にやりとりをしなくてはならず、音声でいえば電話ではなく、トランシーバーと同じ状態だった。Share Anytimeでは、いよいよ文字が、リアルタイムでやりとりできるようになる。新たなリアルタイムコミュニケーションの時代を実現するものになる」と、浮川社長は胸を張る。

 かつてジャストシステムを創業し、一太郎によって日本語ワープロソフトの世界を作り上げた浮川社長は、MetaMoJiで手書き文字にこだわり、さらに、手書き文字を含むテキストのリアルタイムコミュニケーションの世界に踏み出したというわけだ。

どんな用途に使うか、それを示していくのが難しい

 だが、新たな提案だけに、思わぬ苦労もある。

 まずは、Share Anytimeによる新たな用途提案をしていかなくてはならないという点だ。

 先に社内実験の例として触れた「寄せ書き」は、そんなに頻繁にある用途ではない。だが、この機能を活用すれば、会議などで多くの意見を集約したり、テレビ番組の公開クイズなどで、多数の人が参加して一斉に書き込むといった使い方も想定できる。

 そして、Share Anytimeを使うことで、社内の会議や大学の授業、グループでのソーシャル活動などにおいて、データを共有しながら、細かな数字が並ぶ経営資料や営業資料のレビューや、図面やデザインなどを活用したコンセプト議論において効率的な活用ができるという使い方も見逃せない。

 「話している人が、自分の端末に映し出された資料上の必要なところにマークをすれば、会議に参加している人たちの端末上にもマークが表示される。いま、資料のどこに注目すればいいのかを、話す人の意図として知らせることができる」

 これもShare Anytimeならではの使い方だ。こうした活用事例を広く示す必要がある。

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