このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

スマホやPCから便利に使える最新ネットワークストレージ 第2回

高速NASの転送速度はUSB HDDを凌駕するのか!?

2013年10月08日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 LAN上に置いておけば、ファイルサーバーとしてガリガリに活躍してくれるNASではあるが、それだけではいささか物足りないというもの。

 もっと気軽に活用できるのがイマドキのNASでもある。ここではそんなNASを実際に操作してみて、その活用方法をいくつか実践していくこととしよう。

「超高速NAS」は本当に高速だった!

今回速度を計測したのは、バッファローの超高速モデル「LS410DX」とアイ・オー・データ機器の「HDL-A2S」

 前回の記事でも触れたように、NASを提供しているメーカーの多くは、上位製品として「高速モデル」「超高速モデル」といったNASを提供している。

 メーカーの高速NAS製品紹介ページを見れば、「実行速度100MB/s超」「USB 2.0をしのぐ」というような景気のいい数字が踊っているが、それは実際のところ本当なのか? 

 軽い疑いを持ちつつ実際のスピードを計測してみた。計測に使ったのはPCに接続された各種ストレージの速度を計測する定番ソフト「CrystalDiskMark」。

 NASの共有フォルダーをネットワークドライブとしてマウントし、約1GBのデータの書き込みと読み込み速度を計測している。

 各メーカーの計測値では、特定の機能をオフにしたり、ネット接続を切断したりといろいろと条件を整えて速度計測が実行されている。

 しかし、ここではユーザーが各NASを購入し、マニュアルどおりに接続して実際に使用するのと同様、著者の普段使いのLAN環境に各NASを接続し、基本機能も有効にしたままでその速度を計測してみた。

 また、Windowsの「SMB」(Server Message Block)機能を有効にすることによってネットワークデータ転送速度の高速化が図れるともされているが、設定手順が煩雑でもあるし、ここでは省略させていただく。

テスト環境(要は筆者のLAN環境)で使用されているルーター、バッファロー「WZR-1166DHP」。IEEE 802.11ac対応無線LANアクセスポイントだが、ギガビットイーサネットに対応した有線LANポートが4基搭載されている。なお計測に使ったのは自作PCで、構成概要はCPU:Core i5-2400S、メモリ:8GB、Windows 8 Pro 64bitとなっている

テスト環境(要は筆者のLAN環境)で使用したルーターはバッファローの「WZR-1166DHP」。IEEE 802.11ac対応無線LANアクセスポイントだが、ギガビットイーサネットに対応した有線LANポートが4基搭載されている。なお計測に使ったのは自作PCで、構成概要はCPU:Core i5-2400S、メモリ:8GB、Windows 8 Pro 64bitとなっている

 なお、筆者の仕事場でLANの中心となるルーターはWi-Fiアクセスポイント兼用のバッファロー「WZR-1166DHP」だ。

 このルータの有線LANポート(ギガビットイーサ対応)に各NASとPCを接続する。インターネット接続はそのままの状態。その結果が以下のとおりだ。

最新NASはいずれもリードで57MB/s超、ライトで58MB/s超
3年前のUSB 2.0 HDDは完敗!!

バッファローのLS410DXの計測結果。メーカー実測値では100MB/s超えとされているが、結果としてはシーケンシャルリードが59.33MB/s、ライトが67.18MB/sという結果は今回チェックした中では最高値となった

バッファローのLS410DXの計測結果。メーカー実測値では100MB/s超えとされているが、結果としてはシーケンシャルリードが59.33MB/s、ライトが67.18MB/sという結果は今回チェックした中では最高値となった

アイ・オー・データ機器のHDL-A2Sの計測結果。メーカー実測値は「約90MB/s(リード時)を超える」とされているが、ここではシーケンシャルリードが57.57MB/s、ライトが59.39MB/sという結果に落ち着いている

アイ・オー・データ機器のHDL-A2Sの計測結果。メーカー実測値は「約90MB/s(リード時)を超える」とされているが、ここではシーケンシャルリードが57.57MB/s、ライトが59.39MB/sという結果に落ち着いている

参考として、バッファローのネットワークオーディオモデル「LS421D」でも計測。特に高速モデルとはうたわれいないものの、LS410DXに近い結果となった

参考として、バッファローのネットワークオーディオモデル「LS421D」でも計測。特に高速モデルとはうたわれいないものの、LS410DXに近い結果となった

こちらも参考として計測したアイ・オー・データ機器「HVL-AT4.0」。DTCP+に対応した録画対応HDDだ。こちらも特に高速製品にはカテゴライズされていないが、HDL-A2Sに肉薄する結果となっている

こちらも参考として計測したアイ・オー・データ機器「HVL-AT4.0」。DTCP+に対応した録画対応HDDだ。こちらも特に高速製品にはカテゴライズされていないが、HDL-A2Sに肉薄する結果となっている

そして、今回比較対象としたUSB 2.0接続のHDDは、アイ・オー・データ機器「HDCR-U500(500GB)」。3年ほど前にバックアップ用に購入したごくスタンダードな外付けHDD。古めのデバイスで申し訳ないが、結果はこのとおり

そして、今回比較対象としたUSB 2.0接続のHDDは、アイ・オー・データ機器「HDCR-U500(500GB)」。3年ほど前にバックアップ用に購入したごくスタンダードな外付けHDD。古めのデバイスで申し訳ないが、結果はこのとおり

 計測結果から見るに「高速モデル」は確実に3年間のUSB 2.0接続のHDDよりも高速であることがわかる。

 メーカーの動画ファイルなど、サイズの大きめなファイルをコピーしたりムーブしたりするケースが多い昨今ではその威力を実感できるはずだ。NASを選ぶ場合には超高速モデル、高速モデルをまず第1に検討するのがいいだろう。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン