最新トレンドを実践するECサイトを運営する企業に取材し、どのように成果をあげているのかをレポートする「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」。第3回は、実店舗がなくてもO2Oを実践しているメガネ販売のネットショップ『オーマイグラス』を運営するオーマイグラス(株)のO2Oをレポートしよう。
既存のメガネ店と提携してO2O!
福井県鯖江産のメガネを中心に、約100ブランド、4,000種類のメガネとサングラスをネット販売する『オーマイグラス』は、2012年1月にネットショップをオープンしたばかりの新参者。それにも関わらず、「毎月20%を超える成長率を維持し、月に1000本以上売る月も出てきた」(清川忠康代表取締役社長)とさらりと言ってのける。
鯖江産をはじめ高品質なメガネを度付きで購入できる、5本までは取り寄せて試着できるなど、快進撃の理由はさまざまだが、短期間でビジネスを拡大できた背景には、「実店舗を持っていないのに、O2Oを実践している」という理由も大きい。
「実店舗がないのにO2O」というのは、どういうことか。同社は、マルイなどの百貨店内にあるメガネショップや、メガネドラッグ、ビジョンメガネなど大手チェーン、街の小売店など、大手を中心に全国で1200店舗(6月現在)と業務提携している。だから、実店舗を持たずとも、オンラインからオフラインへ誘導するO2Oは実現できるのだ。
これら既存のメガネ店と提携することで、いったい何ができるのか。
「アフターサービスです。メガネという商材は、“買ったあと”のメンテナンスが必要になる商品です。お客さまは、提携店で、当社で購入されたメガネのフレーム調整、修理、クリーニング、検眼などのサービスを受けられます。こうしたアフターサービスは、時間のあるときに、近所のメガネ屋さんに立ち寄ってできた方が便利ですから」
自社店舗にこだわらず、既存のメガネ店に目をつけて提携した。ここが同社の勝機のポイントだ。
実は、この提携店舗1200店という数字は、日本で最も多いメガネのパリミキの総店舗数862店舗を大きく引き離している。つまりオーマイグラスは、現在、日本最大級の提携店舗ネットワークを持っていることになるわけだ。だからこそ、早々とO2Oを実践でき、ネット専業事業者であるにも関わらず、ビジネスの急拡大を実現させたのだ。