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ネット専業でもO2O! メガネ販売『オーマイグラス』 (1/2)

2013年10月04日 11時00分更新

文●三浦たまみ

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 最新トレンドを実践するECサイトを運営する企業に取材し、どのように成果をあげているのかをレポートする「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」。第3回は、実店舗がなくてもO2Oを実践しているメガネ販売のネットショップ『オーマイグラス』を運営するオーマイグラス(株)のO2Oをレポートしよう。

既存のメガネ店と提携してO2O!

『オーマイグラス』の清川忠康代表取締役CEO。お気に入りの5本のメガネを自宅で無料でお試しできるサービスが好評だ。清川氏が手に持っているのは、無料試用品送付用の専用ケース

 福井県鯖江産のメガネを中心に、約100ブランド、4,000種類のメガネとサングラスをネット販売する『オーマイグラス』は、2012年1月にネットショップをオープンしたばかりの新参者。それにも関わらず、「毎月20%を超える成長率を維持し、月に1000本以上売る月も出てきた」(清川忠康代表取締役社長)とさらりと言ってのける。

 鯖江産をはじめ高品質なメガネを度付きで購入できる、5本までは取り寄せて試着できるなど、快進撃の理由はさまざまだが、短期間でビジネスを拡大できた背景には、「実店舗を持っていないのに、O2Oを実践している」という理由も大きい。

 「実店舗がないのにO2O」というのは、どういうことか。同社は、マルイなどの百貨店内にあるメガネショップや、メガネドラッグ、ビジョンメガネなど大手チェーン、街の小売店など、大手を中心に全国で1200店舗(6月現在)と業務提携している。だから、実店舗を持たずとも、オンラインからオフラインへ誘導するO2Oは実現できるのだ。

 これら既存のメガネ店と提携することで、いったい何ができるのか。

「アフターサービスです。メガネという商材は、“買ったあと”のメンテナンスが必要になる商品です。お客さまは、提携店で、当社で購入されたメガネのフレーム調整、修理、クリーニング、検眼などのサービスを受けられます。こうしたアフターサービスは、時間のあるときに、近所のメガネ屋さんに立ち寄ってできた方が便利ですから」

 自社店舗にこだわらず、既存のメガネ店に目をつけて提携した。ここが同社の勝機のポイントだ。

 実は、この提携店舗1200店という数字は、日本で最も多いメガネのパリミキの総店舗数862店舗を大きく引き離している。つまりオーマイグラスは、現在、日本最大級の提携店舗ネットワークを持っていることになるわけだ。だからこそ、早々とO2Oを実践でき、ネット専業事業者であるにも関わらず、ビジネスの急拡大を実現させたのだ。

オーマイグラスのO2Oは、自前の店舗ではないところが大きな特徴

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